スルタンアフメト・モスク

スルタンアフメト・モスク（ブルーモスク）

スルタンアフメト・モスクは、トルコのイスタンブールに位置する、オスマン帝国時代を代表する壮麗なモスクです。その美しさから「世界で最も美しいモスク」とも評され、世界遺産「イスタンブール歴史地域」の重要な構成要素となっています。

歴史

17世紀初頭、オスマン帝国の第14代スルタン、アフメト1世によって建設が命じられ、1609年から1616年までの7年間という歳月をかけて完成しました。設計を手掛けたのは、建築家メフメト・アーです。アフメト1世の時代は、オスマン帝国の国力が徐々に衰退し始めた時期であり、このモスクの建設は、帝国の威信を示す象徴的なプロジェクトでもありました。

建築様式と特徴

スルタンアフメト・モスクの最大の特徴は、世界でも珍しい6本ものミナレットを有していることです。また、直径27.5メートルにも及ぶ巨大なドームは、その壮大さで見る者を圧倒します。内部は、数万枚ものイズニク製の美しい青色の装飾タイルや、ステンドグラスで彩られており、その白と青を基調とした色調から、「ブルーモスク」という愛称で広く知られています。

世界遺産としての価値

スルタンアフメト・モスクは、以下の世界遺産登録基準を満たしている点が評価されています。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作であること:
モスクの設計、装飾、そして全体的な美しさは、人間の創造性の極致を示すものとして評価されています。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること:
オスマン建築の粋を集めたこのモスクは、当時の建築技術や芸術の発展を示す重要な例証となっています。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠であること:
オスマン帝国の文化的、宗教的伝統を今に伝える貴重な遺産です。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること:
オスマン帝国の最盛期を象徴する建築物であり、当時の建築様式や技術を今に伝えています。

観光情報

スルタンアフメト・モスクへは、トラムの「Sultanahmet（スルタンアフメット）駅」から徒歩約5分でアクセスできます。夏には、モスクがライトアップされ、音と光のショーが開催されることもあり、幻想的な夜の姿を楽しむことができます。

注意点

モスクは礼拝の場であるため、肌の露出を避け、敬意を払った服装で訪問しましょう。
礼拝時間中は、観光客の入場が制限される場合があります。
* 内部では写真撮影が許可されていますが、フラッシュの使用は控えましょう。

スルタンアフメト・モスクは、イスタンブールを訪れる際には必見の観光スポットです。その壮麗な建築と美しい装飾は、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。

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