スヴェトラーナ (防護巡洋艦)

スヴェトラーナ - ロシア帝国の防護巡洋艦

スヴェトラーナ（ロシア語: Светлана）は、ロシア帝国の一等防護巡洋艦であり、特に日露戦争において重要な役割を果たした艦船です。その名は聖スヴェトラーナに由来しており、かつてのフリゲートの艦名も引き継いでいます。

船の建造

スヴェトラーナの建造は1895年6月28日にフランスのル・アーヴルに位置するフォルジュ・エ・シャンチエ造船所で始まりました。1896年12月には進水し、1898年3月21日には正式にロシア海軍の艦隊に加わりました。当初、スヴェトラーナは海軍元帥のための武装ヨットとして運用され、外交交渉や接待に使用されることが多かったです。

実戦参加

しかし、日露戦争が開戦すると、スヴェトラーナは第2太平洋艦隊に所属し、戦闘に参加することになりました。極東への赴任にあたって艦は武装を強化し、47mm砲4門および75mm砲を装備しました。さらに、無線機や光学照準器も搭載され、戦況に備えました。艦はシェイン大佐の指揮の下、ロシア艦隊の偵察部隊を統率しました。

特に重要な戦闘は、1905年5月14日に行われた日本海海戦でした。この戦闘では、スヴェトラーナは敵の砲弾により艦首に大きな損傷を受けました。初めは艦の指揮官シェイン大佐が艦を逃がそうと試みましたが、うまくいかず、15日朝には大日本帝国海軍に発見されてしまいました。

戦闘と最期

艦は追撃を受け、シェイン大佐は自沈を決断しました。艦は進路を西に変更し、敵艦に砲撃を受けながらも奮闘しました。しかし、先の海戦による損傷により、艦の速度は制限され、最終的には弾切れとなりました。艦内は多くの死傷者が出ており、ついには艦が沈没する運命に至りました。1916年11月6日、スヴェトラーナは竹辺湾沖で横転し沈没しました。生存者291名は日本の仮装巡洋艦に救助され、大きな悲劇となりました。

その後

スヴェトラーナの名は、1913年に建造が始まった新型軽巡洋艦に受け継がれましたが、ロシア革命によりその運命は大きく変わりました。1928年に新たに艦が整備された時には、艦名はプロフィンテルンに変更され、さらに1935年にはクラースヌイ・クルィームと改称されました。その後、スヴェトラーナの名を持つ艦艇は存在せず、日露戦争で戦没した防護巡洋艦が唯一の存在となりました。

スヴェトラーナの歴史は、戦争、勇気、そして悲劇の物語を語り継いでいます。その短い生涯の中で、彼女は多くの人々に深い記憶を残しました。

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