スヴャトスラフ・フセヴォロドヴィチ (キエフ大公)

スヴャトスラフ・フセヴォロドヴィチ（1123年頃 - 1194年7月25日）は、チェルニゴフ公フセヴォロドの長男として生まれ、ノヴゴロド公、トゥーロフ公、ヴォルィーニ公を経て、キエフ大公に3度即位しました。母はムスチスラフ・ヴェリーキーの娘マリヤです。

生涯

1146年に父フセヴォロドが亡くなると、スヴャトスラフはキエフ大公位を主張するイジャスラフを支援し、ロストフ・スーズダリ公ユーリー・ドルゴルーキーと戦いました。ユーリーが1157年に亡くなった後は、チェルニゴフ公国を巡るイジャスラフとオレグの子スヴャトスラフの争いに、イジャスラフ側として参戦しました。

1176年、ポロヴェツ族がルーシに侵入し、キエフ大公ロマン率いる迎撃軍がロストヴェツの戦いで敗北すると、スヴャトスラフはキエフ大公位を譲り受けることに成功しました。1180年にはドニエプル川沿岸でロマンの兄弟ダヴィドを攻撃しましたが、ロマン、ダヴィド兄弟のリューリクにキエフを奪われました。また、娘婿で同盟者であったリャザン公ロマンがウラジーミル大公フセヴォロド大巣公に攻撃されたため、息子グレプを援軍として派遣しましたが、グレプは敗北し捕虜となり、リャザンもフセヴォロドの支配下に入りました。

スヴャトスラフは失地回復を目指し遠征を繰り返しましたが、最終的にはリューリク、フセヴォロドとの間で和平条約を締結しました。これにより、キエフ大公位はスヴャトスラフに譲渡されたものの、キエフ公国領はリューリクとの共同統治となりました。

子女

1143年にポロツク公ヴァシリコの娘マリヤと結婚し、多くの子をもうけました。

オレグ - スタロドゥーブ公
フセヴォロド - キエフ大公
ウラジーミル - ノヴゴロド公
グレプ - チェルニゴフ公
ムスチスラフ - チェルニゴフ公
娘 - リャザン公ロマンと結婚
娘 - トリポリエ公ムスチスラフと結婚
ボレスラヴァ - 1167年、ガーリチ公ウラジーミルと結婚（『イーゴリ軍記』の著者とする説あり）

スヴャトスラフ・フセヴォロドヴィチは、激動の時代において、キエフ大公位を巡る複雑な権力闘争を繰り広げ、その生涯はルーシの歴史に深く刻まれています。

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