スーパーキー (キーボード)

スーパーキーとは

スーパーキーとは、コンピュータのキーボードに存在するキーの一つです。しかし、その役割は時代やキーボードの種類によって異なってきました。歴史を紐解くと、最初にスーパーキーと呼ばれたのは、スペースカデットキーボードの修飾キーでした。

現在では、主にLinuxやBSDにおいて、WindowsキーやApple Keyboardのコマンドキーの別名として使われています。

スーパーキーの歴史

スーパーキーの歴史は、トム・ナイトが設計したナイトキーボードとスペースカデットキーボードに遡ります。スペースカデットキーボードは、ナイトキーボードを改良したもので、バッキービットと呼ばれる特殊な修飾キーを二つ追加しました。それがハイパー(Hyper)キーとスーパー(Super)キーです。

スーパーキーは、バッキービットの第3のビットを修飾する役割を持っていました。LISPマシンでスペースカデットキーボードが使用されたことから、スーパーキーはEmacsで使用される修飾キーの一つとして採用されました。そのため、スーパーキーを持たない現代のキーボードでEmacsを使う際は、他のキーで代用する必要があります。

LinuxとBSDにおけるスーパーキー

スペースカデットキーボードの時代には、X11で「シフト (Shift)」「コントロール (Control)」「オルト (Alt)」に加えて、「メタ (Meta)」「スーパー (Super)」「ハイパー (Hyper)」といったシフト状態が定義されていました。しかし、PCのキーボードにはこれらのキーが存在しなかったため、これらのシフト状態を利用することは困難でした。Emacsがこれらの修飾子を利用する唯一のソフトウェアでした。

Windowsキーが登場したことで、これらのシフト状態の一つにキーを割り当てることが可能になりました。メタを使用する多くのEmacsコマンドが、AltキーやEscキーに置き換えられた結果、Windowsキーがスーパーキーに割り当てられるようになりました。このキーアサインは、数年後には標準的なものとして定着しました。

Microsoftの著作権で保護された用語を避けるため、Linuxドキュメントではこのキーを「スーパー」と呼ぶことが多くなりました。そのため、ユーザーがこのキーを「Windowsキー」であると認識している場合、混乱を招く可能性があります。

多くのLinuxデスクトップ環境では、スーパーキーはアプリケーションの操作よりも、ウィンドウ管理やアプリケーションの起動といったWindowsキーと同様の機能に利用されています。

例えば、スーパーキーを押しながらマウスをクリックすることで、ウィンドウの端をクリックすることなく移動やサイズ変更ができるデスクトップ環境もあります。GNOME 3では、スーパーキーを離すとアクティブウィンドウが表示されるように設定されています。

OpenboxやKDEでは、スーパーキーは修飾キーとして使用できますが、デフォルトのショートカットではあまり使われていません。一方、Unityではスーパーキーはランチャーの制御やウィンドウ管理によく使われています。

macOSにおけるスーパーキー

macOSのX11エミュレーションでは、スーパーのシフト状態はコマンドキーに割り当てられています。Apple Keyboard以外のキーボードを接続した場合、macOSはWindowsキーをコマンドキーとして認識するため、LinuxにおけるWindowsキーの扱い方と類似しています。

まとめ

スーパーキーは、その歴史の中で様々な役割を果たしてきたキーです。スペースカデットキーボードから始まり、LinuxやmacOSではWindowsキーやコマンドキーの別名として使用されています。その機能は、ウィンドウ管理やアプリケーションの起動など、デスクトップ環境によって異なりますが、現代のコンピュータ操作において重要な役割を果たしていることは間違いありません。

関連項目

* Windowsキー

もう一度検索