スーパースター・ジェミナイ

スーパースター・ジェミナイの航跡

スーパースター・ジェミナイは、2012年にスタークルーズによって改名・運航が開始されたクルーズ客船です。その歴史は、1992年にノルウェージャン・クルーズラインのドリームウォードとして竣工したことに遡ります。ドリームウォードは、アトランティーク造船所で建造されたドリームウォード級の1隻で、当初の計画では総トン数約4万トン、乗客定員1246人でした。しかし、建造段階から船体延長が考慮されており、将来的な輸送力増強を見据えた設計となっていました。

1992年12月、ドリームウォードはエバーグレーズ港からバミューダ諸島への処女航海に出発し、その後はニューヨーク・バハマ間やフロリダから西インド諸島への航路に就航しました。翌年には姉妹船のウィンドウォードも就航しています。当時、2隻の外観は、白い煙突に赤と青の横線が入ったノルウェージャン・クルーズラインの伝統的な塗装でしたが、1998年以前には濃紺の煙突と白い船体という新しい塗装に変更されました。

1998年には、ドイツのロイド・ヴェルフトにて船体延長工事が行われました。船体は中央部で分割され、40mのブロックが挿入されたのです。この工事に伴い、煙突とレーダーマストはキール運河航行のために起倒式となりました。改造後のドリームウォードは総トン数50,764トン、乗客定員2,156人となり、ノルウェージャン・ドリームと改名されました。

事故と売却、そしてスタークルーズへ

ノルウェージャン・ドリームとなった後、ヨーロッパ周遊航路に就航しましたが、1999年8月にはベルギーのゼーブルッヘ港からイギリスのドーバーへ航行中にコンテナ船エバー・ディセントと衝突事故を起こしました。この事故で船首を損傷したものの、自力でドーバーまで航行。幸いにも死者は出ませんでしたが、乗客20人以上が軽傷を負いました。この事故をきっかけに、アメリカでは他国船籍のクルーズ船に対する安全性への批判が起こりました。その後、ロイド・ヴェルフトで修理が行われました。

2004年、所有者が親会社のスタークルーズに変更され、売却かスタークルーズへの移籍が検討されました。2007年には、ウルグアイのモンテビデオ出港時にバージと衝突する事故も発生しています。その後、ルイス・クルーズ・ラインズへの売却契約が一度は合意に達しましたが、技術的な理由からキャンセルされ、ギリシャのピレウスなどに係留された後、シンガポールへ向かいました。

スーパースター・ジェミナイとして新たなスタート

2012年、スタークルーズは5000万ドルを投じて大規模な改装を行い、船名をスーパースター・ジェミナイと改めました。改装後の最初の航海は、2012年12月28日にシンガポールを出港し、マレーシアのペナン島クラン港に到着しました。2013年1月2日には、クラン港からクルーズ航海の営業を開始し、その後は三亜市や上海市を母港とするクルーズを実施しました。

スーパースター・ジェミナイは、10層のデッキに766室の客室を備え、定員は1532人です。船内には中華料理や西洋料理のレストラン、ビュッフェ、バー、免税店などの施設が充実しています。スタークルーズのクルーズ船として、アジアを中心に魅力的な航路を提供しています。

関連情報

スタークルーズ: スーパースター・ジェミナイを運航するクルーズ会社。
ノルウェージャン・クルーズライン: かつてドリームウォード、ノルウェージャン・ドリームを運航していたクルーズ会社。
スーパースター・アクエリアス: スーパースター・ジェミナイの姉妹船で、元ウィンドウォード。

外部リンク

スタークルーズ日本語
* スタークルーズ英語

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