スーパーモタード

スーパーモタードの概要

スーパーモタード（英: Supermotard）は、オートバイレースの一種で、舗装されたアスファルト路面と未舗装のダート路面を組み合わせた特異なコースで行われる競技です。このレースは、一般には「スーパーモト」や「モタード」とも称され、近年はこのレーススタイルに適した車両自体や、その形態を指すことが増えています。サイドカーを使用する「スーパーサイダー」、およびクアッドバイクで行われる「スーパークアッド」といったバリエーションも含まれることがあります。

競技の特徴

スーパーモタードのコースの基本構成は、舗装路が約80%、未舗装路が約20%とされていますが、実際には完全な舗装路コースやダート比率の高いコースも存在します。競技に使用されるバイクは、モトクロッサーを基にして改造されており、通常は14インチから19インチのホイールにオンロード用のタイヤやモタード専用タイヤが装着されます。さらに、サスペンションやブレーキなどの重要部品も強化されています。一般的に使われるエンジン形式は水冷4ストローク単気筒で、2ストロークは特にターマックでのスライドが難しいため主流ではありません。

ライダーは、通常モトクロス用のヘルメット、ゴーグル、ブーツに加え、オンロード用のレーシングスーツを着用するのが一般的です。レース中は、ターマック区間での高速コーナリングや、ダート区間でのスライドやジャンプが見どころです。

スーパーモタードの歴史

スーパーモタードは、1979年にGavin Trippeがアイデアを提唱し、ロードレース、ダートトラックレース、モトクロスの要素を融合させる形でスタートしました。初期のコースは、舗装とダートが半々の構成でしたが、現在ではアスファルトとダートの比率が見直され、多くのコースが約70%アスファルトと30%ダートで構成されています。この新しい形式のレースは長らく北米で開催されていましたが、1985年には衰退しました。一方、ヨーロッパではフランスを中心に人気が高まり、現在の「スーパーモタード」と呼ばれる形が確立されました。

2003年には北米でもスーパーモトが再興し、AMAやスーパーモトカナダとしてレースが行われるようになりました。特にヨーロッパでは、フランスのキャロルサーキットにおいて、著名なライダーたちが参加する「ギドン・ドール」イベントが開催され、スーパーモタードはさらなる認知を得ました。

日本におけるスーパーモタード

日本ではスーパーモタードの存在が1980年代に『TOSHIBAスポーツBOX』などで紹介され、少数ながら改造バイクが存在していました。1993年に鈴鹿サーキットで実施された『鈴鹿スーパーバイカーズ』が日本初の本格的なレースイベントとされています。このレースには多くのトップライダーも参加し、スピード感あふれる競技が展開されました。

その後、鈴鹿での成功を受けて、富士スピードウェイや筑波サーキットでも開催が続きました。2001年には森町でオーバーオールレースが行われ、2003年からは日本スーパーモタード選手権「MOTO1」が始まり、人気を博しました。近年では、アメリカやフランスへの進出も目立ち、多くの日本人ライダーが海外で活躍しています。

海外での日本人ライダー

スーパーモタードの人気の高まりと共に、数々の日本人ライダーが海外大会に挑戦しています。佐合潔や増田智義、松本康、佐野新世などの選手たちがアメリカやフランスでの競技に参戦し、国際舞台でもその実力を示しました。

スーパーモタード風の市販車

スーパーモタードの人気が高まる中、車両メーカーはスーパーモタード風の公道用モデルを市販するようになりました。これらの車両は、デュアルパーパスモデルに似た特性を持ち、扱いやすさやスポーツ走行の楽しさが注目されています。また、日本においてもジムカーナでの利用が増え、自転車の軽快さを活かした競技が行われています。

代表車種

日本国内外において、多くの代表的なスーパーモタード車種が存在しています。KTMやハスクバーナ、アプリリアなどが市場で特に評価されており、日本ではカワサキのDトラッカーやホンダのXRモタードなどが人気を集めています。

結論

スーパーモタードは、舗装と未舗装の組み合わせが生み出す独自のレーススタイルと、高い走行性能を持つバイクたちが魅力です。今後もこの競技と関連車両の発展に注目が集まるでしょう。

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