スーパーラグビー・アンロックト

スーパーラグビー・アンロックト

スーパーラグビー・アンロックト（Super Rugby Unlocked）は、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが世界中に拡大し、国際的な移動が困難となったことで中断を余儀なくされた、スーパーラグビーの代替として開催された南アフリカ国内のラグビーユニオン特別大会です。

大会背景と概要

例年、南半球および日本の強豪チームが集まり開催されるスーパーラグビーは、2020シーズン途中にコロナ禍により中断しました。各国・地域の情勢に合わせて、ニュージーランドでは「スーパーラグビー・アオテアロア」、オーストラリアでは「スーパーラグビーAU」といった国内限定の代替大会が実施される中、南アフリカでも同様の対応が取られました。これがスーパーラグビー・アンロックトであり、2020年10月10日から11月21日にかけて、南アフリカ国内で開催されました。

本大会は、パンデミックという特殊な状況下で実施された一時的な措置であり、わずか1シーズン限りの開催となりました。南アフリカのトップチームが集結し、国内のみでの日程消化となりました。

参加チーム

この特別大会には、スーパーラグビーに通常参加している主要チームに加え、国内リーグであるカリーカップ所属チームの一部も参加し、合計7チームで争われました。特に、チーターズは約3シーズンぶりにスーパーラグビー関連の大会に復帰しました。また、カリーカップを主戦場とするグリクアズとピューマズが新たに加わったことも特筆されます。

参加チームは以下の通りです。

シャークス
ストーマーズ
ブルズ
ライオンズ
チーターズ
グリクアズ
* ピューマズ

大会のその後

スーパーラグビー・アンロックトは計画通り1シーズンで終了しました。そして、この大会に参加した南アフリカの有力チーム、特にシャークス、ストーマーズ、ブルズ、ライオンズの4チームは、その後のスーパーラグビーには戻りませんでした。南アフリカのラグビー界は、国際的なリーグ構造の変化に対応する形で、2021-22シーズンより活動の場をヨーロッパへと移しました。これらの4チームは、ケルティックリーグを起源とするユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ（URC）に参戦することとなり、世界ラグビーにおける南アフリカチームの立ち位置が大きく変わる契機の一つとなりました。

また、スーパーラグビー・アンロックトで得られた各チームの最終成績は、本大会の終了直後に開幕した南アフリカ国内最高峰のプロラグビーリーグ、カリーカップ（2020-21シーズン）の初期順位決定に反映されるという、興味深いつながりも持ち合わせていました。

関連大会

同時期に南半球で行われたスーパーラグビー代替・関連大会には、ニュージーランドの「スーパーラグビー・アオテアロア」、オーストラリアの「スーパーラグビーAU」があり、その後、両国のチームによる交流戦「スーパーラグビー・トランスタスマン」も開催されました。

スーパーラグビー・アンロックトは、コロナ禍という未曽有の事態が生んだ、南アフリカ国内における特別なラグビーイベントとして、その歴史に名を刻んでいます。

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