スーパーラグビー・ウィメンズ

スーパーラグビー・ウィメンズ

スーパーラグビー・ウィメンズ（Super Rugby Women's, Super W）は、オーストラリアラグビー協会が主導する、女子ラグビーユニオンのプロクラブ対抗戦です。男子大会であるスーパーラグビー・パシフィックと同様に、この大会は国内および近隣地域のトップ女子チームが集結し、覇権を争います。

この大会の歴史は2018年に始まりました。当初はアマチュアリーグとして運営されており、その時期のタイトルスポンサーであった建設会社Buildcorpの名を冠し、「Buildcorp Super W」としても知られていました。初期の大会形式は、参加チームによる総当たり戦の後、上位に進出したチームが決勝で優勝を争う形が取られていました。創設初年度は5チームが参加しました。

特筆すべき点として、西オーストラリア州のプロチームであるウェスタン・フォースが参加しなかった2019年および2020年には、西オーストラリアラグビー協会の選抜チーム「ラグビーWA」が代わりに大会に出場しました。また、2020年大会は、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックの影響を受け、決勝戦が延期された末に中止となる異例の事態となりました。この年の優勝チームは、総当たり戦の最終的な勝ち点によって決定されています。翌2021年シーズンは、混乱を乗り越え、チーム数が限られた中でプール分けを実施し、優勝チームを決定する形式が採用されました。

大きな転換期を迎えたのは2022年です。この年、大会はアマチュアからプロリーグへと移行し、選手への報酬支払いが認められるようになりました。これにより、女子選手がラグビーに専念できる環境が整えられました。同時に、ニュージーランドでも同様の女子プロクラブ大会「スーパーラグビー・アウピキ（Super Rugby Aupiki）」が新設されるなど、南半球の女子ラグビー界全体のプロ化が進みました。スーパーラグビー・ウィメンズには新たにフィジーのチーム「フィジアン・ドゥルア」女子チームが参入し、この初参戦のチームがその年の大会で優勝を飾る快挙を達成しています。大会形式も変更され、6チームによる総当たり戦を経て、上位3チームによる決勝トーナメント方式が導入されました。

2023年大会では、参加チームは引き続き6チームでしたが、決勝トーナメントに進出できるチームが上位4チームに拡大されました。これにより、より多くのチームに優勝争いの機会が与えられました。

近年における変化として、財政的な課題を抱えていたメルボルン・レベルズが2024年シーズンをもって活動を休止したことが挙げられます。これにより、2025年大会では参加チームが1チーム減少し、5チーム体制での開催となりました。大会形式は、5チームによる総当たり戦の後、上位4チームが決勝トーナメントに進む形で行われました。

2025年シーズンは、男子大会と同じくSMARTECH Business Systemsがタイトルスポンサーとなり、大会名称は「SMARTECH Super Rugby Women's」または「SMARTECH Super Rugby W」となりました。さらに、この年から「スーパーラグビー・チャンピオンズ・ファイナル（Super Rugby Champions Final）」という新たな試みが導入されました。これは、スーパーラグビー・ウィメンズの優勝チームと、ニュージーランドのスーパーラグビー・アウピキの優勝チームが対戦し、南半球女子クラブチームの真の王者を決定する試合です。記念すべき初代チャンピオンズ・ファイナルでは、ニュージーランドのブルーズ・ウィメンが勝利を収めました。

現在、2025年大会には5チームが参加しています。過去には様々なチームが出場しており、大会の歴史を彩ってきました。

スーパーラグビー・ウィメンズは、男子大会のスーパーラグビーと同様、南半球ラグビー界において重要な位置を占めており、女子選手のレベル向上と競技の普及に大きく貢献しています。ニュージーランドのスーパーラグビー・アウピキと連携を深めつつ、女子ラグビーの発展を牽引する存在です。

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