スーパー8mmフィルム

スーパー8mmフィルムとは

スーパー8mmフィルムは、1965年にコダックが発表した個人映画向けのムービーフィルム規格です。従来のダブル8mmフィルム（スタンダード8mmフィルム）を改良し、より使いやすく、高画質な映像を撮影できるように開発されました。「スーパー8」という名称で親しまれています。

歴史と概要

1932年に登場したダブル8mmフィルムは、16mmフィルムを半分にスリットして使用するものでした。スーパー8mmフィルムは、このダブル8mmフィルムの改良版として登場しました。主な改良点は以下の通りです。

パーフォレーションの小型化: フィルムの送り穴（パーフォレーション）を小さくすることで、画像面積を約1.5倍に拡大しました。
フィルム走行速度の高速化: 標準のフィルム走行速度を16コマ/秒から18コマ/秒に高速化しました。これにより、より滑らかな映像表現が可能になりました。また、高級機種では24コマ/秒での撮影・映写も可能となり、商業映画のような映像を実現しました。
カートリッジ方式の採用: カートリッジ式の採用により、フィルムの装填が非常に簡単になりました。内部にプレッシャープレートが内蔵されているため、ダブル8mmフィルムのようにフィルムをゲートに通す手間が不要になりました。また、日中でもフィルムのかぶりを気にせずに装填できるようになり、カートリッジの切り込みによってフィルム感度を自動で設定できるようになりました。

しかし、スーパー8mmフィルムには、一軸構造が採用されたため、フィルムの巻き戻しができないという欠点がありました。このため、オーバーラップなどの特殊効果は不可能でした。しかし、後にカメラメーカーの努力により、一部制限付きながら巻き戻しが可能になりました。

1970年代中頃からは、音声を記録できる「サウンドカメラ」が登場しました。これは、フィルムの送り穴の反対側に磁気ストライプを設けることで実現しました。

フィルムの種類

スーパー8mmフィルムには、カラーフィルムと白黒フィルムがあります。カラーフィルムは、主にタングステンタイプのフィルムが使われますが、カメラ内蔵のフィルターによって太陽光下でも撮影できます。

コダック社製の「コダクローム」は、その発色の良さから長年人気がありましたが、2006年に生産が終了しました。後継の「エクタクローム64T」も2010年に生産終了となり、代わりに「エクタクローム100D」が発売されましたが、これも2012年に生産終了となりました。しかし、2018年には「エクタクローム100D」が再発売されています。

白黒フィルムとしては、「トライX」などが販売されています。また、海外ではアマチュアだけでなく、プロの映像作家にも多く利用されています。

2013年時点では、日本国内で現像可能なのは、エクタクローム100Dなどのカラーリバーサルフィルムに限られていました。現像は、墨田区にあるレトロエンタープライズが行っています。また、主要なカメラ店を通じてコダック社製のスーパー8mmフィルムの現像を依頼することも可能です。

現行製品

現在も、コダック、レトロエンタープライズ、スペクトラ、ヴィットナー、プロ8、カールなどのメーカーがスーパー8mmフィルムを製造・販売しています。

主な現行製品

コダック VISION3 200T / 500T (カラーネガティブフィルム、サイレント)
コダック トライ-X (白黒リバーサルフィルム、サイレント)
プロビア100D スーパー8 (カラーリバーサルフィルム、デイライトタイプ、ASA50)
ヴィットナークローム 100D / V50D / F64T (カラーリバーサルフィルム、デイライト/タングステンタイプ)
ヴィットナー B&W 54 (黒白リバーサルフィルム、ISO200)
クォーツクローム (白黒リバーサルフィルム、サイレント、ASA50)
プロ8/01, 05, 12, 22, 63, 92, 43, 53, 73 (カラーネガティブフィルム、デイライト/タングステンタイプ)
カール NP27 / NP 21 (黒白ネガティブフィルム)
カール UP24 / ドクメント12 (黒白リバーサルフィルム)
カール UT 18 / UT 21 (カラーリバーサルフィルム、デイライトタイプ)

スーパー8mmフィルムの魅力

スーパー8mmフィルムは、そのコンパクトさ、扱いやすさ、独特の映像表現から、現在でも多くのファンに支持されています。デジタル映像が主流となった現代においても、フィルムならではの質感や温かみは、多くの映像作家や愛好家を魅了し続けています。

関連情報

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* 映画『SUPER8/スーパーエイト|SUPER8_スーパーエイト』

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