ズールー (駆逐艦・2代)

ズールー (HMS Zulu, F18)

ズールーは、イギリス海軍の駆逐艦として知られるトライバル級の一艦です。艦の設計は1930年代に始まり、1936年8月10日に起工され、1937年9月23日に進水しました。最終的に1938年9月7日に就役し、戦場での活躍が期待されました。

艦歴のはじまり

ズールーは就役後、1938年11月18日にマルタに到着し、第1駆逐艦戦隊に配属されました。その後、第二次世界大戦が勃発すると、護衛任務を主に果たすことになりました。ズールーはその堅実な性能と能力により、長期間にわたって戦争の中核を担う艦船の一つとなりました。

戦闘任務

1942年、ズールーはジブラルタルを拠点とするH部隊に参加し、地中海での戦局に貢献しました。特に注目すべき事件は、1942年8月3日の出来事です。この日、イギリス空軍のウェリントン機がドイツの潜水艦「U372」を発見し、ズールーは駆逐艦「シーク」と共にこの潜水艦への攻撃に向かいました。後に、駆逐艦「テトコット」と「クルーム」も加わり、U372は数回にわたる攻撃を経て自己沈没します。

9月13日には、ズールーは「シーク」と共にトブルクに対するコマンド部隊の襲撃作戦を支援しました。この作戦はアグリーメント作戦として知られ、9月14日未明にコマンド部隊をトブルクに上陸させました。しかし、港湾警備部隊の予想外の抵抗によって作戦は難航し、ズールーは状況を打開するために機動力を駆使しようとしました。

苦闘の末の沈没

「シーク」は沿岸監視のサーチライトに照らされ、沿岸砲台からの砲撃を受けて大破し、航行が困難に。ズールーは煙幕を展開することで「シーク」を保護し、曳航を試みましたが、その過程で艦尾にも被弾し、状況はさらに厳しくなります。「シーク」は結局、沈没してしまい、ズールーも多くの負傷者を出しました。

「ズールー」は残った乗組員を救助する努力をし、何名かは駆逐艦「クルーム」によって救助されましたが、最終的にはイタリア軍の空爆によって航行不能となり、1942年9月14日同日に沈没します。この艦の戦歴は、艦艇乗員たちの勇敢な行動が素晴らしい結果に繋がったことを示しています。

結論

ズールーは、第二次世界大戦の激動の中、数々の艦隊任務を遂行し、特に護衛任務において重要な役割を果たしました。その運命は戦争の残酷さを物語っており、多くの乗組員が英雄的な行動を通じて命をかけて任務を果たしました。

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