セイカ

セイカ：日本のキャラクター文具史に名を刻んだレーベル

セイカは、かつてキャラクター文具の製造・販売で知られた株式会社セイカをルーツとする、サンスター文具のレーベルです。1920年創業の濱田末七商店を起源とし、セイカノート株式会社を経て、2001年に株式会社セイカへと発展しました。バンダイナムコホールディングスグループの一員となり、東京都台東区を拠点に事業を展開していました。2009年、サンスター文具との経営統合により、会社組織としては解散しましたが、そのブランドと主力商品はサンスター文具によって受け継がれ、現在も親しまれています。西華産業やセイカ食品とは一切関係ありません。

セイカの歴史：濱田末七商店からサンスター文具へ

セイカの歴史は、1920年（大正9年）9月、濱田末七氏によって東京都台東区鳥越で創業された濱田末七商店に始まります。その後、有限会社濱末商店を経て、1957年（昭和32年）1月にはセイカノート株式会社に商号変更。1975年（昭和50年）5月には本社を墨田区吾妻橋に移転しました。

2000年（平成12年）10月には株式会社バンダイと業務提携を開始し、2001年（平成13年）5月には株式会社セイカに商号変更、同年11月には本社を千代田区岩本町に移転しました。2007年（平成19年）9月には台東区駒形に移転。そして2008年（平成20年）10月、サンスター文具との経営統合に向けた検討が始まり、2009年（平成21年）1月、バンダイナムコHDがセイカの解散を発表。セイカの事業はサンスター文具に統合され、「サンスター文具・セイカレーベル」として新たなスタートを切りました。

セイカの主力商品：ぬりえから学習帳まで

セイカは長年に渡り、幅広い文具を製造・販売してきました。現在も、ぬりえ、パズル、スケッチブック、学習帳、折り紙、色画用紙などの定番商品に加え、かるたやすごろくなどの年賀用品も人気です。「らくがきんちょ！」は、サンスター文具になっても継続されているロングセラー商品です。ショウワノートのキャラクター商品なども手がけており、多様なラインナップが特徴です。

特に注目すべきは、『ポプラディア学習帳』です。ポプラ社発行の『ポプラディア』とコラボレーションしたこの学習帳は、『ジャポニカ学習帳』のように百科事典のページを組み込んだ、教育的な要素も併せ持った商品でした。子供にも分かりやすい構成と、環境保護に配慮した「エコマーク」や「ベルマーク運動」への参加も大きな特徴でした。

キャラクター文具：ディズニーからスーパー戦隊まで

セイカのキャラクター文具事業は、1953年頃、極東ノート（現キョクトウ・アソシエイツ）の『月光仮面』ノートに対抗してディズニーキャラクターとの契約から始まったとされています。その後、東映アニメーションや虫プロダクションの作品キャラクターを使った商品展開も開始。ディズニー流のキャラクタービジネスを両社に伝授したことで、日本のキャラクタービジネスの発展に貢献しました。

バンダイとの業務提携後は、プリキュアシリーズ、スーパー戦隊シリーズ、ウルトラシリーズなどのバンダイ関連作品を多く手がけるようになりました。一方で、『ぷるるんっ!しずくちゃん』など、バンダイ以外の作品にも関わっていました。業務提携前には、タカラトミー（旧トミー、タカラ）関連の作品にも多数関わっていました。スーパー戦隊シリーズに関しては、1975年の第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』から関わり続け、30年以上もの長期に渡るスポンサーシップと文具製造を行った、セイカにとって重要なパートナーでした。ABCテレビの日曜朝アニメ枠にも長年関与しています。

東映アニメーション作品では、『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに第1作から関わり、ショウワノートと共に『おじゃる丸』、『忍たま乱太郎』、『名探偵コナン』などの作品にも関わっています。1970～80年代には、『仮面ライダー』シリーズ、『機動戦士ガンダム』、『魔法の天使クリィミーマミ』などのスポンサーとなり、関連グッズも製造しました。1990年代以降も、『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『おジャ魔女どれみ』シリーズなどの人気作品に関与しています。

セイカオリジナルキャラクター：魔法少女シリーズ

セイカは、1980年代後半から1990年代前半にかけて、スタジオぴえろ、葦プロダクション、東映アニメーションなどの協力のもと、独自の魔法少女キャラクターを起用した文具も制作していました。只野和子氏、伊藤郁子氏、近永早苗氏など、プロのアニメーターがデザインや原画を担当した、クオリティの高いオリジナルキャラクターが登場しました。「ファッションララ」シリーズ、「魔法のデザイナーファッションララ」、「魔法のステージアイドルココ」など、数々のオリジナルブランドが誕生しました。これらのオリジナルブランドはサンスター文具との経営統合で終了しましたが、その精神は現在も引き継がれています。

セイカの遺産

セイカは、会社としての歴史は幕を閉じましたが、その生み出した商品や、日本のキャラクタービジネスへの貢献は、今もなお記憶され、サンスター文具を通じて受け継がれています。長年にわたって培われたノウハウや、培ってきたブランド力は、日本の文具業界に大きな足跡を残しています。

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