セイクレッド・ライク

セイクレッド・ライク（Sacred Reich）

セイクレッド・ライクは、アメリカ合衆国アリゾナ州出身のヘヴィメタルバンドであり、スラッシュメタルの第二世代として名を馳せています。バンドは1985年にフェニックスで結成され、その後数回のメンバー交代を経ながらも、独自の音楽スタイルを確立していきました。初期の頃は、荒削りでパワフルなクロスオーバー・スラッシュ的なサウンドを特徴としていましたが、政治的なメッセージを歌詞に込めることも信条としていました。

概要と略歴

結成から解散まで（1985年 - 2000年）

バンドは最初、ジェイソン・レイニーやフィル・ラインドといったメンバーが集まり結成されました。1987年には、メジャーレーベルのメタル・ブレイド・レコーズからデビューアルバム『Ignorance』をリリースし、その後も1990年に発表された『The American Way』など、精力的にアルバムを発表しました。1990年代に入ると、グランジやグルーヴ・メタルが台頭し、音楽スタイルの変化が求められました。バンドは大手レーベル、ハリウッド・レコードに移籍し、さらに新たな音楽性を模索していました。しかし、1993年に発表した3rdアルバム『Independent』が期待されたほどの売上を上げられず、短期間で契約を解消される憂き目に遭いました。

1995年には、当時人気を博していたマシーン・ヘッドにメンバーのデイヴ・マクレインが参加したため脱退し、翌年にはグレッグ・ホールが復帰し、初期のラインナップが再結成されました。1996年には、4thアルバム『Heal』をリリースしましたが、バンド内部の問題も影響し、2000年には活動を停止することとなりました。

再始動後（2006年 - 現在）

セイクレッド・ライクは、2006年に活動再開を発表し、ライブに特化した活動を始めました。2012年には、公式なライブアルバム『Live at Wacken』をリリースし、ファンの期待に応えました。2017年にはデビュー30周年を祝う欧州ツアーや北米ツアーの開催を計画しました。

バンドのメンバーの入れ替わりがあり、2018年には長年在籍したグレッグ・ホールが脱退し、デイヴ・マクレインが復帰しました。2019年には創設メンバーのジェイソン・レイニーが脱退し、ジョーイ・ラジヴィルが新たに加入しました。そして、同年には待望の5thアルバム『Awakening』がリリースされました。また、2020年にはジェイソンが心臓発作で急逝する悲報が伝えられ、その影響はバンドにとって大きなショックとなりました。

スタイルと影響

当バンドの音楽スタイルは、初期にはスラッシュメタルに根ざした荒削りなサウンドから始まりましたが、時代と共に進化を遂げていきました。特に『The American Way』では、ミッドテンポの楽曲も増え、メタリカやパンテラといった他のバンドに影響を受けながら、グルーヴ感を増すことに成功しました。その歌詞には社会的なメッセージが込められており、バンドの強い信念が反映されています。セイクレッド・ライクは、名実ともにスラッシュメタルシーンの重要なバンドとして活動しており、今後のさらなる活躍が期待されています。

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