セイユウ

セイユウ：日本競馬史に名を刻むアングロアラブの怪物

セイユウは、日本の競馬界において特別な存在であるアングロアラブ系の競走馬です。彼はサラブレッド系重賞を勝った唯一のアングロアラブとして知られ、多くのファンから「アラブの怪物」と称されています。セイユウには25パーセントのアラブ血量があり、1985年には競走馬として顕彰馬に選ばれました。

戦績の始まり

セイユウの競走生活は1956年7月15日に福島競馬場で始まりました。初戦では2着に終わりましたが、すぐに次のレースで勝利を収め、秋開催からは圧倒的な強さを見せるようになりました。彼は4歳の4月に行われたアラブ4歳ステークスで66キロという重い負担を背負いながら見事に勝利し、15連勝を達成しました。

しかし、次のアラブステークスでは68キロという酷量と出遅れにより2着に敗れました。しかし、その後目標としていた読売カップ（春）では他馬を7馬身も引き離し、見事な勝利を収めました。

サラブレッドへの挑戦

すでにアラブ界には敵がいない状態になったセイユウは、サラブレッドとの挑戦に乗り出すことを決意します。サラブレッドとの初対決となる七夕賞でも勝利を収め、その後の福島記念も難なく制しました。たとえ次戦で負けたとしても、彼は皐月賞の優勝馬ヘキラクに先着する実力を示しました。

生涯でも最高のレースと言われるセントライト記念では、日本ダービーの3着馬や、のちに菊花賞優勝馬となる馬たちを破り、サラブレッド重賞も制しました。しかし、アングロアラブとしてクラシックレースには出走できず、その可能性を残したまま名声を博しました。

引退と種牡馬としての活躍

競走生活の最後は、サラブレッドのオープンクラスで戦い続けたセイユウですが、1970年に引退しました。引退後は種牡馬としても活躍し、多くのアラブ系繁殖牝馬との交配を行いました。特に種付け数の記録は驚異的で、1966年には238頭という世界記録も樹立しています。これにより「性雄」という異名まで付けられました。

しかし、その種付け数があまりに多すぎるため、疑念も生まれ、一部では人工授精を疑う声も上がりました。しかし、セイユウは監視下でもその能力を見せ、懸念を払拭しました。このような彼の強靭な姿に、彼を見守っていた関係者たちも驚嘆しています。

死去とその影響

セイユウは、1977年4月28日に突然の心臓麻痺により死去しました。彼の種付け料は、最初の頃は3万円でしたが、死の直前には35万円にまで上昇していました。競馬界に残した彼の足跡は、今も多くの人々に語り継がれています。

主な産駒

セイユウの産駒には、ポートスーダンやブルーシャーク、ヒメカツプなど、多くの優秀な競走馬が含まれています。これらの馬たちもまた、日本の競馬界で名を馳せる存在となりました。彼の血統の影響は、今後も続いていくことでしょう。

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