アングロアラブ

アングロアラブの特徴と歴史

アングロアラブとは、アラブ種とサラブレッドを交配した馬の品種で、その特長はスピードと丈夫さを兼ね備えています。この品種は、特に競馬や馬術競技などで重宝されてきました。アングロアラブが登場した背景には、サラブレッドの虚弱体質や激しい気性がありました。このような特質を改善するために、頑丈で温厚な性格を持つアラブ種が導入されたのです。

日本では、アングロアラブは「アラブ」と呼ばれ、多くの人に混同されることもあります。しかし、アングロアラブの定義は、日本国内ではアラブ血量が25%以上であることとされています。この基準に満たない場合、その馬はサラブレッド系種とみなされます。フランスでは、アングロアラブが50%、25%、12.5%の血量基準で分類されるため、この点においても国によって異なる基準が設けられています。

日本におけるアングロアラブの歴史

戦前の日本において、競馬は軍需産業の一環として馬の改良や生産技術が重視されていました。政府はサラブレッドの生産を奨励しましたが、次第にその繊細な性格が問題視され、アングロアラブの生産が推奨されました。特に1929年、政府はアラブ種とアングロアラブによる競馬の順位を高め、アラブ系の競走が数多く行われるようになりました。このことが、アングロアラブの盛んな生産を促進する要因となったのです。

戦後になると、軍馬としての需要が無くなりましたが、地方[[競馬]]場が競走馬の生産を促進させる環境が整い、アングロアラブは引き続き注目を浴びました。アングロアラブは、丈夫な体を持ち、連続出走にも耐えられるため、競走馬としての需要が高まりました。

アングロアラブの競走と人気

中央[[競馬]]においても、多くの名馬がアングロアラブの血から生まれました。「タマツバキ」や「セイユウ」、さらには「シュンエイ」に加え、地方[[競馬]]からも「ホウセント」や「フクパーク」、「オグリオー」などの実力馬が登場しました。これらの馬は、サラブレッドに引けを取らない素晴らしい成績を収めることができ、多くのファンの心をつかみました。

しかし、アラブ系競走はサラブレッド系と比較してスピードに劣ることや、賞金が安いことから、次第にサラブレッドの生産頭数が増加し、アングロアラブに対する需要が減少していきました。昭和20年代後半からは、アラブ抽せん馬のみの出走が求められ、競走自体の数も減少しました。

アラブ系競走の終焉

1984年には多くのアラブ重賞が廃止され、アラブ系の競走自身も市場から姿を消しました。福山[[競馬場]]や他の地方[[競馬]]場においても、アラブ系競走の開催が困難になり、最終的にはアラブ系限定のレースがすべて終了しました。現在では、アラブ系の馬はサラブレッドと同じレースに出走することができますが、その数は限られています。

最期の稲妻的な瞬間で、アラブ系馬の存在は記憶の中の一時期のエピソードになりつつあります。アングロアラブは、当初骨太でしなやかな特性から生まれた血統であり、日本の競馬史に重要な足跡を残しています。

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