セイロン侵攻

セイロン侵攻の概要

セイロン侵攻（英: Invasion of Ceylon）は、1795年7月から1796年2月にかけて、インド洋のセイロン島（現在のスリランカ）で展開された軍事行動です。この戦闘は、フランス革命戦争の一環として、当時のバタヴィア共和国駐留軍とインドから派遣されたイギリス軍の間で行われました。オランダとの連携が崩れた状況の中、イギリスはセイロン島を制圧し、その後153年間にわたって支配しました。

背景

1793年、グレートブリテン王国とネーデルラント連邦共和国は、フランス共和国への宣戦布告をもってフランス革命戦争に介入しましたが、1794年冬にフランスに敗北します。この結果、オランダはフランスの衛星国であるバタヴィア共和国に合併されることに。バタヴィア共和国を取り戻す目的で、イギリスは追放されたオランダ総督ウィレム5世と共に植民地の奪取計画を立てました。その中で最初のターゲットとなったのがセイロン島のトリンコマリーでした。

イギリスの侵攻計画

この侵攻は、インドのマドラスにおける植民地総督であるホバート卿の指揮のもとにスタートしました。ホバート卿は陸軍のジェームズ・ステュアート大佐と海軍のピーター・レーニア少将を補佐に、合計約2,700人の軍勢を派遣する計画を立てました。海軍は、74門の戦列艦と54門の艦から構成され、7月21日にマドラスを出港しました。

トリンコマリーの包囲戦

イギリス軍は1795年8月3日にトリンコマリーの北約7km地点に上陸しました。上陸作業は天候の影響で遅れるものの、その間にバタヴィア共和国の駐留軍は効果的な抵抗を示しませんでした。イギリスは砲台の設置を行い、トリンコマリーの城壁に直接攻撃を開始しました。最終的に、バタヴィアの司令官は降伏を選択し、特に大きな犠牲を伴うことなく679人の駐留軍を捕虜として捉え、トリンコマリーの支配権を確立しました。

コロンボの陥落

その後、イギリス軍は近隣のオステンブルク要塞にも攻撃を仕掛けます。1796年初頭には、コロンボの包囲計画が進められ、再度ステュアートが指揮を執りました。2月14日に到達したコロンボに対し、駐留軍は降伏を選択し、その結果イギリス軍は平和的にコロンボを占領。この戦いの戦利品は大きく、コロンボだけで30万ポンド以上の価値があるとされています。

結果と影響

セイロン侵攻の結果、イギリスはセイロン島を手中に収め、以降1948年の独立までその統治が続きました。この侵攻は、イギリス帝国の拡大に寄与し、特に東インドにおける戦略的利点を強化する大きな要素になりました。また、1802年に締結されたアミアンの和約では、セイロン島がフランスの支配下には戻らず、イギリス帝国の一部であり続ける契機ともなったのです。

このように、セイロン侵攻は歴史的に重要な軍事行動であり、当時の植民地政策や国際関係に大きな影響を与えました。

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