セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』は、うすた京介による日本の漫画作品。1995年から1997年まで『週刊少年ジャンプ』で連載され、作者のデビュー作にして代表作として知られています。

概要

本作は、謎の格闘技「セクシーコマンドー」を操る高校生・花中島マサルと、彼を取り巻く奇妙なキャラクターたちが織りなすギャグ漫画です。本編が存在しないにも関わらず「外伝」と名付けられている点や、支離滅裂ながらも独特なギャグセンスが人気を博しました。

話数のカウントは「コマンドー○○」で、サブタイトルは当初「マサルと○○」という形式でしたが、連載が進むにつれてその形式は崩れていきました。

作風と影響

作者のうすた京介が強い関心を持つセガやCMのパロディが作中に散見されます。特に、セガが発売していたピッチングマシン型玩具『ロボピッチャ』は、本作によって再び注目を集めました。その他にも、1980年代の芸能人やテレビ番組、人気漫画のパロディが多数登場します。

連載当時、バトル漫画の主人公が大会に出場するという展開が定番でしたが、本作ではセクシーコマンドー部が大会に出場するものの、決勝戦を棄権するという異例の展開を見せました。また、最終回では唐突に「第2部・地獄校長編」が開始され、1話のみで完結するなど、従来の漫画の常識を覆す構成がギャグ性を高めています。

本作の影響で、ナンセンスギャグを追求する漫画家志望者が増加したため、『週刊少年ジャンプ』本誌の新人賞募集ページに「マネもほどほどに...」という注意書きが掲載されるほどでした。

アニメ放送後には、ノートや下敷き、トレーディングカードなどのグッズが展開され、中でも人気キャラクター「メソ」のぬいぐるみやキーホルダーはゲームセンターの景品として人気を博しました。

海外にも進出し、韓国では『멋지다!!마사루（すごいよ!!マサルさん）』というタイトルで『週刊チャンプ』に掲載されました。当時の韓国の倫理観に合わせてローカライズされた部分もありますが、意味不明なギャグはほぼそのまま翻訳され、カルト的な人気を獲得しました。また、パク・チャヌク監督は、映画『オールド・ボーイ』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した際、「本当は『マサル』を映画化したかった」と語っています。

2000年代前半には、韓国のインターネットで「ビョーキ」ムーブメントの始祖とされ、「ウォンチュウ」は流行語になりました。また、上野隆博が本作の「ダバダバ」をヒントにしたダンスを披露し、マドンナの目に留まるなど、様々な分野に影響を与えています。

連載終了までの経緯

アニメ化も決定するほどの人気を博しましたが、作者のうすた京介が週刊連載のペースについていけず、原稿の締め切りや読者からの評価に対するプレッシャーから自信をなくしたため、約1年8ヶ月で連載は終了しました。うすたは当時を振り返り、「今でも後悔することもあるが、決断が間違っていたとは思っていない」と語っています。

主な登場人物

花中島マサル: 本作の主人公。セクシーコマンドー部の部長。
藤山起目粒: 通称フーミン。マサルの親友でツッコミ役。
近藤真茶彦: 通称マチャ彦。元空手部部長で、セクシーコマンドー部の部員。
磯辺強: 通称キャシャリン。華奢な体格が特徴で、強い男になるためにセクシーコマンドー部に入部。
田中スーザンふ美子: 正体はわかめ高校校長。赤い覆面を被っている。
佐藤吾次郎: 通称アフロ君。天才的な頭脳を持つ優等生。
北原ともえ: 通称モエモエ。マネージャーで、部のアイドル的存在。
メソ: 謎の生物で、本作のマスコットキャラクター。
さかきばらのぶゆき: わかめ高校校長。田中スーザンふ美子の正体。
松田達郎: 国語教師で、セクシーコマンドー部顧問。通称トレパン。

テレビアニメ

1998年にTBS系で放送されました。監督は大地丙太郎が担当し、PENICILLINが主題歌「ロマンス」を担当。オープニング映像では、様々なアニメ作品のパロディが展開されました。

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