セゴビア

スペインの古都セゴビア：歴史と魅力が織りなす街

セゴビアは、スペインの中央部に位置するカスティーリャ・イ・レオン州セゴビア県の県都です。マドリードから約87km、バリャドリッドから約111kmと、主要都市からも比較的アクセスしやすい場所にあり、古くから交通の要衝として栄えてきました。

古代から続く歴史

セゴビアの歴史は古く、ケルト人が築いた城塞が現在のアルカサルの位置にあったと伝えられています。ローマ時代にはクルニアの行政区に属し、「セゴウィア」と呼ばれていました。イスラム支配時代には「シクビヤー」という名で呼ばれ、これはケルト語で「とりで」を意味する言葉に由来するといわれています。

11世紀、カスティーリャ王アルフォンソ6世がトレドを征服した後、セゴビアにはキリスト教徒が定住し始めました。12世紀には内乱に見舞われましたが、移牧路上に位置していたことから羊毛や毛織物の交易が盛んになり、経済的な発展を遂げました。中世後期には最盛期を迎え、ゴシック様式の建造物が数多く建設されました。アルフォンソ10世はアルカサルを王宮として改築し、1474年にはイサベル1世がここでカスティーリャ女王に即位しました。

1520年のコムネーロスの反乱では、セゴビアも反乱に加わりましたが、反乱の鎮圧後も経済的な発展は続き、16世紀後半には人口2万7000人を数えるほどに繁栄しました。しかしその後は衰退し、17世紀後半には人口は8000人にまで減少しました。18世紀には毛織物産業の復興が試みられましたが、成功には至りませんでした。19世紀以降は経済が再び活性化し、人口も回復しています。

世界遺産に登録された旧市街とローマ水道橋

セゴビアの大きな魅力は、何と言っても世界遺産に登録されている旧市街とローマ水道橋です。マドリードからの日帰り旅行でも訪れることができる人気の観光地で、長く狭い高台の上に広がる旧市街の壮大な景観は多くの観光客を魅了しています。

主な観光スポット

セゴビア水道橋: 紀元1世紀頃に建造された古代ローマの水道橋。全長728mにも及ぶその規模はスペイン最大級を誇り、見事な保存状態を保っています。
セゴビア大聖堂: 16世紀から18世紀にかけて建造されたゴシック様式の大聖堂。その荘厳な姿はセゴビアのシンボルとなっています。
アルカサル: 旧市街の西端、2つの川に挟まれた岩山に立つ城。ディズニー映画『白雪姫』の城のモデルになったとされ、その美しい姿は多くの観光客の心を掴んでいます。
ラ・ベラ・クルス教会: テンプル騎士団によって建てられた教会。旧市街の北の外れに位置しています。
* サンタクルス・ラ・レアル修道院: ドミニコ会によって設立された修道院。現在はIE大学の校舎として使われています。

国際色豊かなセゴビア

セゴビアは、アメリカ合衆国、韓国、スコットランド、イングランド、フランス、ベネズエラなど、世界各国と姉妹都市提携を結んでおり、国際交流も盛んな街です。

歴史、文化、そして美しい景観が調和したセゴビアは、スペインを代表する魅力的な都市の一つと言えるでしょう。一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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