セスナ 185

セスナ 185 スカイワゴンについて

概要

セスナ 185 スカイワゴンは、アメリカのセスナ社によって開発された軽飛行機で、1960年7月に初飛行を果たしました。この機体は、開発元であるセスナ 180を基にしており、特に未開地での運用を意図したブッシュ・プレーンとしての特徴を持っています。エンジンや機体フレーム、降着装置など、すべてが強化されており、見た目や性能においても優れています。

スカイワゴンは、6席を持つキャビン構造を採用し、左右の窓の数も拡大されており、視界の良さが向上しています。さらに、降着装置はスキーやフロートに変更することも可能で、さまざまな環境で運用できる柔軟性を持っています。セスナ 185の基本型には、さらに洗練されたスカイワゴンIIが存在し、両機は市場において広く受け入れられました。農業機型の「アグキャリオール」が開発されたほか、アメリカ空軍によって軍用機としても利用され、U-17の名称で各国に供与されました。この機体は1985年まで生産が続けられ、最終的には4,400機以上が製造されました。

派生型の紹介

セスナ 185 スカイワゴンには数種類の派生型があります。最初に登場したのは「185」モデルであり、続いて「185A」、「185B」、「185C」、「185D」、「185E」となります。

• - 185: 260hpのコンチネンタル製IO-470-Fエンジンを搭載し、275機が生産されました。
• - 185A: 長距離燃料タンク装備のオプションが追加され、275機が製造されました。
• - 185B、185C、185D、185E: それぞれの型で77機から110機が生産されました。

次に、農業専用タイプの「A185E アグキャリオール」が登場し、300hpのIO-520-Dエンジンを搭載。723機が生産され、薬剤散布装置を装備しつつ、輸送や農業パイロットの訓練にも使用されました。
「A185F アグキャリオール」は最終型であり、2,538機が製造されました。

軍用機のバージョンとしては、185Eを基にした「U-17A」といった型が262機生産され、また他のバージョンも存在します。

• - U-17B: A185E相当の軍用型で205機生産。
• - U-17C: 特殊なエンジンに換装されたタイプで、7機が生産されました。

諸元

セスナ 185 スカイワゴンの基本的な諸元は以下の通りです。

• - 全長: 7.85 m
• - 全幅: 10.92 m
• - 全高: 2.36 m
• - 翼面積: 16.16 m²
• - 空虚重量: 769 kg
• - 最大離陸重量: 1,520 kg
• - エンジン: コンチネンタル IO-470-F 水平6気筒ピストンエンジン（260hp）× 1
• - 最大速度: 286 km/h（海面高度）
• - 巡航速度: 274 km/h（高度2,135 m）
• - 実用上昇限度: 5,455 m
• - 航続距離: 1,576 km
• - 乗客: 5名、乗員: 1名

セスナ 185 スカイワゴンは、広範な機能性と耐久性を兼ね備え、多様な用途で利用されています。この機体は、軽飛行機に求められる性能を超え、多くのパイロットとユーザーから信頼を受け続けています。

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