セックス・アンド・ザ・シティ2

『セックス・アンド・ザ・シティ2』

本作『セックス・アンド・ザ・シティ2』（2010年）は、2008年に公開された『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編です。日本では有名なキャラクターたちが再登場し、彼女たちの日常や恋愛、友情が描かれていますが、舞台は前作から2年後の現代ニューヨークに設定されており、その中で様々なストレスや挑戦に直面する姿が描かれます。初めての出会いが1980年代に遡る冒頭シーンが印象的で、キャリー（サラ・ジェシカ・パーカー）を中心に、サマンサ（キム・キャトラル）、シャーロット（クリスティン・デイヴィス）、ミランダ（シンシア・ニクソン）との友情がいかにして築かれたのかが語られます。

物語は、各キャラクターの抱える問題に焦点を当てています。52歳になったサマンサは更年期障害に悩み、ホルモン剤を常に持ち歩かなければならなくなりました。一方、シャーロットは二人の子供の育児に忙殺され、夫ハリーの浮気の妄想に苛まれます。ミランダは新たな上司との人間関係の悪化に直面し、キャリアの危機を迎えています。そして幸せな結婚生活を送るはずだったキャリーも夫ビッグとの価値観の違いから苛立ちを隠せずにいるのです。

そんな中、サマンサがアラブの裕福なビジネスマンから「自身のホテルをスターにしてほしい」という依頼を受けたことがきっかけで、4人はアブダビで贅沢なバカンスを楽しむことになります。この旅行の中で、キャリーは元恋人のエイダン（ジョン・コーベット）と偶然再会し、過去の思い出が一気に蘇ります。

キャストには、サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソンが揃い、個々のキャラクターの魅力が際立っています。また、日本語吹替版の制作には、神尾千春が演出を担当し、徐賀世子が吹替翻訳を手掛けています。

本作は、前作のヒットを受けて2009年に製作が発表され、同年9月からニューヨークで撮影が開始されました。アブダビでの撮影は実現しなかったものの、モロッコでのロケを経て美しい風景が映し出されています。また、マイリー・サイラスやペネロペ・クルスがカメオ出演しているのもファンには嬉しいポイントでしょう。

この映画は、アメリカではR15+指定を受けており、質の高いドラマと刺激的な描写があるものの、批評家からの評価は低かったと言われています。事実、2011年にはゴールデンラズベリー賞で最低主演女優賞や最低続編賞を受賞してしまいました。それでも、テレビシリーズのファンからは根強い支持を受けており、2012年に地上波初放送され、多くの人々に再び親しまれることとなりました。

さらに、DVDやブルーレイのリリースも行われており、日本ではワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントより、2010年10月に各種フォーマットで発売されています。特典映像や豪華なパッケージも話題となり、ファンにとっては手元に置きたくなる作品となっています。また、作品のテーマや登場キャラクターの魅力に引き込まれた方々からの評価は、作品が持つ独特の世界観を改めて思い起こさせる要素となっています。

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