セミトレーラー

セミトレーラーについての詳細

概要

セミトレーラーとは、トラクタと連結して使用される前車軸のないトレーラーです。このタイプの車両は貨物の運搬を主な目的としており、日本国内において最も一般的なトレーラーとされています。セミトレーラーはその特性上、縦列駐車や後バックが可能であり、様々な用途で活躍しています。

構造と運用

セミトレーラーは、牽引車であるトラクタとの組み合わせで使用されることが前提の設計になっています。トラクタ単体には荷物を積むスペースがないため、トレーラーと連結されなければ運搬の機能を果たしません。一方で、トレーラー単体には前輪が存在しないため、単独では移動できない特徴があります。このように、セミトレーラーはトラクタとの組み合わせによって、その能力を発揮します。

また、セミトレーラーを用いることによって、フェリー航送時にはトラクタを切り離し、トレーラーだけを積み込むことができます。これにより、運送コストや運転手の拘束時間を抑えることが可能となるため、効率的な運搬が実現します。

車両規制やブレーキングシステム

セミトレーラーに関しては、車両全体の総重量がトラクタとトレーラーの運搬能力に基づいて制限されています。トラクタは最大25トン、トレーラーは28トンまでの荷物を運搬できることが法律で定められています。さらに、トレーラーのブレーキには空気ブレーキが一般的に使用されており、様々な積載重量に応じた車軸の数が決定されます。重さが60トン前後の車両には通常3つの車軸が用いられ、重量が増えると4軸以上の構造になります。高い安全性を確保するために、トレーラーには全てABSが必須装備されており、1998年からは中期ブレーキ規制も適用されています。

連結と用途の多様性

セミトレーラーの連結方式は、一般にトラクタ側の連結器がカプラ、トレーラー側がキングピンという構造になっています。日本では1台までの牽引が法律で認められているため、セミトレーラーはシングルスとしての使用が最も一般的です。特例として、ダブルスやトリプルスといった形態もありますが、こちらは限定的な道を走行することが可能です。

セミトレーラーには様々な種類が存在し、それぞれ用途に応じた形状となっています。例えば、スタンション型は主に鋼材や原木を運ぶための設計が施され、あおり型は一般雑貨の運搬に利用されます。船底型は円筒形の荷物用、コンテナ型は海上コンテナの運搬に特化しています。

結論

セミトレーラーはその特性と多様な利用法から、日本の物流に欠かせない重要な存在です。今後もその効率的な運搬能力を活かし、さらなる発展が期待されています。

もう一度検索