セリエA (サッカー) 1948-1949

イタリアサッカーリーグのトップカテゴリーであるセリエAは、1948-1949シーズンをもって、1898年の創設以来47回目の開催を数えました。また、全国単一リーグ制となってからは17年目にあたるシーズンでした。

このシーズンに臨むにあたり、前年のセリエAからサレルニターナ、アレッサンドリア、ヴィチェンツァ、ナポリの4チームがセリエBへの降格を経験しました。代わって、セリエBからはノヴァーラ、パドヴァ、パレルモの3チームが昇格し、新たな顔ぶれが加わりました。

リーグ優勝、すなわちスクデットを獲得したのは、前年に引き続いてトリノでした。彼らはこのシーズンで5シーズン連続、クラブとしては通算6度目の栄冠に輝きました。セリエAにおける5連覇は、1930-1931シーズンから1934-1935シーズンにかけてのユヴェントス以来となる歴史的な偉業でした。個人タイトルとしては、インテルに所属していたイシュトヴァーン・ニェルス（ステーファノ・ニェルス）が得点王に輝いています。

しかし、この1948-1949シーズンは、トリノの栄光とは裏腹に、イタリアサッカー史における最も悲劇的な出来事の一つとして記憶されています。1949年5月4日に発生した「スペルガの悲劇」です。

事の起こりは、1939年にクラブ会長に就任したフェルッチョ・ノーヴォによって、後に「グランデ・トリノ」と呼ばれる黄金時代の礎が築かれたことに遡ります。トリノは1942-1943シーズンから1947-1948シーズンにかけて、中断期間を挟みつつも実に4シーズン連続でスクデットを獲得し、1942-1943シーズンにはコッパ・イタリアも制覇するなど、国内外にその強さを見せつけていました。1948-1949シーズンにおいても、彼らは圧倒的な強さを誇り、第34節を敵地でのインテル戦引き分けで終えた時点で、2位のインテルに勝ち点差4をつけて首位に立っており、前人未踏の5連覇達成は目前と考えられていました。

悲劇は、優勝がほぼ手中に収められた状況で発生しました。1949年5月3日、トリノのキャプテンであるヴァレンティーノ・マッツォーラの友人で、引退を控えていたベンフィカのフランシスコ・フェレイラを称える親善試合のため、チームはポルトガルのリスボンへ遠征しました。その翌日、トリノへの帰路についたチームを乗せた飛行機が、悪天候の中、トリノ郊外のスペルガ丘にあるバシリカ（聖堂）の壁に激突し、墜落しました。

この事故により、搭乗していた選手、クラブスタッフ、帯同していた記者、そして乗務員を含む乗客全員が命を落としました。イタリアサッカー界、そしてトリノというクラブにとって、あまりにも大きな、そして突然の喪失でした。

悲劇の発生後、リーグの臨時役員会が開催されました。この場で、トリノと優勝を争っていたインテルを含む他のクラブからの敬意ある提案を受け、事故発生前の第34節終了時点で首位に立っていたトリノにスクデットを授与することが満場一致で決定されました。この決定は、失われた偉大なチームへの最大の追悼と敬意の表れでした。

トリノはシーズンに残された4試合を、やむを得ずユースチームで戦うこととなりました。これに対し、対戦相手となった各クラブもまた、敬意を示し、ユースチームを相手に立てて試合を行いました。優勝争いとは無関係となったこれらの試合で、トリノのユースチームは驚異的な粘りを見せ、全ての試合に勝利してシーズンを締めくくりました。

事故後、ノーヴォ会長はすぐにチームの再建に取り組みましたが、「グランデ・トリノ」の再来は容易なことではありませんでした。ノーヴォ会長は1953年にその職を辞任しました。その後もトリノはスペルガの悲劇以前のような輝きを取り戻すことができず、クラブは苦難の道を歩むこととなり、1958-1959シーズンにはクラブ史上初めてセリエBへの降格を経験することになります。

1948-1949シーズンのセリエAは、トリノが打ち立てた輝かしい5連覇という偉業と、そのチームが一瞬にして失われたスペルガの悲劇という、光と影が極めて対照的に刻まれた、イタリアサッカー史において決して忘れられることのないシーズンとなりました。

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