セリーヌ・ディオン (アルバム)

セリーヌ・ディオンのアルバム『セリーヌ・ディオン』

セリーヌ・ディオンの自己名義アルバムである『セリーヌ・ディオン』は、彼女の通算17枚目の作品にあたります。このアルバムは1992年3月31日にリリースされ、ディオンの音楽キャリアにおける重要な一歩となりました。アルバムはソウルとクラシック音楽を巧みに融合させており、ソフトロック要素も取り入れられています。これまでのディオンの作品と同様に、愛をテーマにした楽曲が揃っています。

アルバムの特筆すべき楽曲

特に注目すべきトラックは、ピーボ・ブライソンとのデュエット曲「ビューティー・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」です。この楽曲は、ディズニー映画『美女と野獣』の主題歌として知られ、ディオンの国際的な知名度を高めるきっかけとなりました。このソフトロックスタイルの楽曲は、彼女の今後の音楽的方向性をも形成する重要な作品となります。また、このトラックは大々的な宣伝活動の影響もあり、彼女にとってアメリカのトップ10ヒットとなりました。加えて、アカデミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞など複数の賞を受賞し、彼女の音楽的地位を確立しました。

このアルバムでは、作曲家やプロデューサーが新たなメンバーと共に活躍。特にダイアン・ウォーレンの手による5曲が収録されています。その中でも「ウィズ・ディス・ティアー」は、プリンスがディオンのために特別に書き下ろした楽曲として注目されています。その他の楽曲は、ウォルター・アファナシエフやリック・ウェイク、ガイ・ロッチェなどが関わっています。

残念ながら「センド・ミー・ア・ラヴァー」という曲は、アルバムの選曲過程で外され、後に1994年にシングルとしてリリースされました。しかし、ディオンはこのアルバムを通じて、さらなる作曲家やプロデューサーとのコラボレーションのチャンスを掴みました。

アルバムの成功と影響

1992年には、前作『ユニゾン』の成功もあり、ディオンは北米でスーパースターとしての地位を確立していました。このアルバムのリリースを通じて、彼女は英語圏市場でも名声を得るという目標を達成しました。なお、ヨーロッパ版には「哀しみのハートビート」というボーナストラックが含まれています。また、1992年9月7日にはオーストラリアで再リリースされ、『ユニゾン』から4曲がボーナスディスクとして追加されています。

このアルバムに伴い、ディオンは「Celine Dion Tour」と名付けたライブツアーを行い、更にファンの支持を集めていきました。

チャート成績

『セリーヌ・ディオン』は、全世界で約600万枚の売り上げを記録しました。特にアメリカでは237万2000枚を販売し、ダブルプラチナに認定されています。ビルボード200では34位を記録し、カナダでは最高3位に達し、ダイヤモンドに認定されるなど、その影響力を示しています。オーストラリアやニュージーランド、日本、イギリスでもそれぞれのランキングで良好な成績を収め、このアルバムはディオンにとって初めてのワールド・ミュージック・アワード（Best Selling Canadian Female Recording Artist of the Year）を受賞するきっかけともなりました。

特にシングル「ビューティー・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」は、ビルボードホット100で9位に達し、ゴールドに認定されています。さらに、「イフ・ユー・アスクト・ミー・トゥ」や「ナッシング・ブロークン・バット・マイ・ハート」などの楽曲もアメリカ国内でのランキングに名を連ね、ディオンの音楽キャリアに新たな光を当てる作品となりました。

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