セルゲイ・グリゴリエヴィチ・クリャシュトルヌィ

セルゲイ・グリゴリエヴィチ・クリャシュトルヌィ（Sergey Grigor'evich Klyashtornii, 1928年2月4日 - 2014年9月21日）は、ロシアを代表する歴史家、考古学者として知られています。彼は、中央アジア史研究において、特に古代テュルク語碑文を主要な資料とした研究で多大な貢献をしました。

生涯と学歴

クリャシュトルヌィは、現在のベラルーシ共和国ホメリで生まれました。レニングラード国立大学でテュルク学と中東史を学び、ベルンシュタムに師事しました。パミール、フェルガナ、天山地方、セミレチエ、トルクメニスタンといった地域での発掘調査に参加し、考古学者としての経験を積みました。

研究活動

彼の研究の中心は、突厥から古代キルギス史、そして広範な中央アジア史に及びます。彼は、古代テュルク語碑文を詳細に分析し、これらの地域の歴史的背景や社会構造を解明することに尽力しました。彼の研究は、中央アジアの古代史を理解する上で欠かせないものとなっています。

教育活動

クリャシュトルヌィは、研究活動と並行して教育にも力を注ぎました。ソ連科学アカデミー・アジア諸民族研究所レニングラード支所では、「テュルク・モンゴル研究室」の室長として、テュルク学研究を組織・指導しました。また、レニングラード大学（現サンクトペテルブルク大学）では、東洋学部テュルク・フィロロジー学科で講師を務め、突厥史を講義しました。1992年からはサンクトペテルブルク大学の教授となり、後進の育成に貢献しました。

受賞と栄誉

彼の業績は国際的にも高く評価され、2005年には常設国際アルタイ学会からインディアナ大学アルタイ学賞（PIACメダル）を受賞しました。

主要な著作

クリャシュトルヌィは数多くの著作を残しており、以下はその一部です。

Древнетюркские рунические памятники как источник по истории Средней Азии（古代テュルク語ルーン碑文：中央アジア史の資料として）
Восточный Туркестан глазами русских путешественников (вторая половина XIX в.) (в соавт. с А. А. Колесниковым)（ロシア人旅行者が見た東トルキスタン（19世紀後半））
Казахстан. Летопись трех тысячелетий. (в соавт. с Т. И. Султановым)（カザフスタン：三千年の記録）
История Центральной Азии и памятники рунического письма（中央アジア史とルーン文字碑文）
Государства и народы Евразийских степей. Древность и средневековье. (в соавт. с Т. И. Султановым)（ユーラシア草原の国家と民族：古代と中世）
Степные империи древней Евразии（古代ユーラシアの草原帝国）

参考文献

* 護雅夫『古代トルコ民族史研究Ⅰ』（山川出版社、1980年）

クリャシュトルヌィの研究は、中央アジア史研究に大きな影響を与え、彼の著作は今日でも重要な参考文献として広く利用されています。

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