セルゲイ・ノヴィコフ (柔道)

セルゲイ・ペトロヴィチ・ノヴィコフ（Serhiy Petrovych Novikov、1949年12月15日 - 2021年4月16日）は、旧ソビエト連邦代表として活躍したウクライナ出身の柔道家です。1976年モントリオールオリンピックの柔道重量級で金メダルを獲得し、その名を歴史に刻みました。

モスクワ出身のノヴィコフは、192cm、120kgという恵まれた体格を活かし、柔道界で頭角を現しました。特に、長身から繰り出す素早い大外刈りは彼の代名詞とも言える得意技であり、数々の対戦相手を苦しめました。また、返し技の威力も強烈で、相手に一瞬の隙も与えませんでした。

ノヴィコフは、ミュンヘンオリンピックで優勝したウィレム・ルスカの後継者として、ヨーロッパで早くから注目されていました。ルスカが現役を引退すると、ノヴィコフはヨーロッパ柔道界の第一人者として君臨しました。1975年の世界選手権では、日本の遠藤純男に敗れて2位に終わりましたが、翌年のモントリオールオリンピックでは、その遠藤に初戦で勝利し、勢いに乗って見事金メダルを獲得しました。

特筆すべきは、ノヴィコフがポイント優先の欧州柔道ではなく、日本型柔道の選手と評されていた点です。これは、彼が一本を狙う柔道を追求していたことを示唆しています。事実、全盛期の山下泰裕はノヴィコフに2度勝利していますが、いずれも判定または注意による優勢勝ちであり、ノヴィコフの実力の高さを物語っています。

主な戦績

1970年 - ヨーロッパ選手権 無差別 3位
1972年 - ポーランド国際 優勝
1972年 - ヨーロッパ選手権 無差別 3位
1973年 - ヨーロッパ選手権 無差別 優勝
1973年 - 世界選手権 3位
1974年 - ヨーロッパ選手権 無差別 優勝
1974年 - オーストリア国際 3位
1975年 - ヨーロッパ選手権 2位
1975年 - プレオリンピック大会 優勝
1975年 - 世界選手権 2位
1976年 - ヨーロッパ選手権 優勝
1976年 - モントリオールオリンピック 優勝
1977年 - オランダ国際 2位
1978年 - ソ連国際 2位
1978年 - ヨーロッパ選手権 3位
1979年 - プレオリンピック大会 95kg超級 優勝、無差別 2位
1980年 - ヨーロッパ選手権 無差別 3位
1980年 - モスクワオリンピック 無差別 5位

ノヴィコフは、その実力と実績にもかかわらず、柔道史において十分な評価を受けているとは言えません。しかし、彼の残した功績は、柔道界に深く刻まれています。モントリオールオリンピックでの金メダル、数々の国際大会での活躍、そして何よりも、日本型柔道を体現したそのスタイルは、多くの柔道家들에게 inspirationを与え続けています。

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