遠藤純男

遠藤純男の柔道人生

基本情報

遠藤純男（えんどう すみお）は、日本の柔道家であり、講道館の9段を持つ名選手です。1950年10月3日生まれの彼は、警視庁の警察官として柔道に打ち込み、数々の栄誉を手にしました。

現役時代

遠藤は警察官としての職務を続けながら、世界選手権で2回の金メダル、モントリオールオリンピックでの銅メダルを獲得するなど、数多くの輝かしい戦績を残しました。彼は上村春樹や山下泰裕といった強敵たちと共に、日本の重量級柔道界で長きにわたり戦いました。また、全日本選手権大会では優勝しており、その実力は間違いありません。

幼少期と柔道との出会い

福島県安積郡にて農家の五男として生まれた彼は、接骨院に通っていた際に柔道を習い始めます。中学校時代には県大会で優勝、高校時代にはインターハイのベスト16に進出します。その後、日本大学文理学部に進学し、高い技術を身につけていきました。

大学時代の活躍

大学入学当初は怪我に悩まされましたが、すぐに実力を発揮し、講道館紅白試合で7人抜きを達成します。その後、全日本新人体重別選手権で初代王者となり、全日本学生選手権では見事なオール一本勝ちで優勝を果たしました。この時期、彼は技術の研究に明け暮れ、特に背負投を得意とする選手へと成長しました。

警視庁での活躍

1973年に警視庁に奉職後、成績も飛躍的に伸びました。全日本選手権では3位、全日本選抜体重別選手権大会では優勝を果たし、アジア選手権でも見事な実績を残しました。特に1975年の世界選手権では、強豪選手を相手に金メダルを獲得し、その名を轟かせました。彼はその身体能力を活かした柔道スタイルで、対戦相手に強烈な印象を残しました。

モントリオール五輪の試練

1976年のモントリオールオリンピックでは期待がかかりますが、初戦で前年の世界選手権決勝で戦ったセルゲイ・ノヴィコフに敗れます。敗者復活戦では実力を見せつけ銅メダルを獲得しましたが、当時銅メダルの価値が低く感じられていたため、屈辱感を抱えながらも次の挑戦へのモチベーションを得ました。

銀メダリストの壁

1977年の全日本選手権では若き選手山下泰裕に決勝で敗れ、準優勝となります。これ以降、山下に対する思いが強まり、彼を打倒することに執念を燃やしていきます。新しい技を研究し、自らのスタイルを磨き続けました。

引退後の道

1981年に現役を引退してからは、秋田経済大学（後のノースアジア大学）で柔道部の監督を務め、学生たちの指導に力を注ぎます。教授としても多くの学生に知識を伝え、彼らの成長を見守りました。さらに、全日本柔道連盟の公認審判員としても活動し、国際舞台でも審判を務めました。

現在と未来

2018年には講道館から9段位を允許され、2019年には秋田県柔道連盟の会長に就任するなど、現在も柔道界に貢献しています。遠藤の功績は、多くの選手たちや指導者に影響を与え続けており、彼の名を冠したメモリアルコーナーが郡山市の体育館にも設けられています。彼の道は、今もなお多くの柔道家に引き継がれています。

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