セルダル

セルダル（旧名：キジル・アルバト、ギジルアルバト）は、トルクメニスタンの首都アシハバードの北西に位置する都市です。アシハバードからカスピ海へと向かうルート上にあり、交通の要所となっています。人口は約5万人で、主にトルクメン人が居住しており、地域全体でトルクメン語が広く使用されています。

地理的には、セルダルはアシハバードからコペトダグ山脈の北麓に沿って連なるオアシス群のほぼ北西端に位置しています。この地域は、古くから人々の生活を支える重要な場所でした。

歴史を振り返ると、ロシアによる征服時代には、この地に何度か探検隊が派遣されました。ただし、主な戦闘は東に位置するギョクデペ（ギョクデペの戦い）で行われました。現在のセルダルの町は、1881年にカスピ海横断鉄道の駅の付近に建設されたことに始まります。鉄道の開通とともに、セルダルは交通の要衝として発展しました。

20世紀初頭には、セルダルは政治的な事件の舞台ともなりました。1918年7月、アシハバードで戒厳令が宣言される中、タシケントのチェーカー長である人民委員V. Frolovが、この地をタシケント・ソビエトの支配下に置こうとしました。しかし、セルダルの鉄道労働者たちは、アシハバードにおけるストライキ指導者たちの処刑の報を聞き、武力による抵抗を組織しました。Frolovとその支持者の一部は銃撃され、残りは武装解除されました。この事件は、非ボリシェヴィキ系のザカスピ臨時政府の樹立へとつながるきっかけとなりました。

気候区分では、セルダルは砂漠気候（BWk）に属し、冷涼な冬と非常に暑い夏が特徴です。降雨量は少なく、不安定で、主に秋から冬の間に集中します。乾燥した気候が、この地域の景観を特徴づけています。

セルダルは、その地理的な位置、歴史的な背景、そして気候条件が組み合わさって、独特の文化と生活様式を育んできました。現代においては、トルクメニスタンの重要な都市の一つとして、発展を続けています。

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