砂漠気候

砂漠気候の概要

砂漠気候（さばくきこう、Desert climate）は、ケッペンの気候区分で分類される気候区の一つであり、主に乾燥帯に位置しています。この気候は、記号でBWh（熱帯砂漠）とBWk（温帯砂漠）に分けられ、BWの文字はドイツ語で「砂漠」を意味する「Wüste」に由来しています。

特徴

砂漠気候の主要な特徴は、降水量が非常に少ないことです。年間を通じて降水量は約250mm以下で、さらに少ない地域も多く存在します。気温は地域によって異なりますが、非常に大きな日較差が見られます。昼間は高温になる一方で、夜間は急激に冷え込むことがあります。特に、夏は最高気温が30℃を超え、時には50℃を超える地点もありますが、冬は氷点下になることもあり、温度の変化が激しいのが特徴です。

砂漠に生息する植物は非常に限られていますが、オアシスのような水源がある所には特定の植物が生育しています。特に、一部の地域ではヤシ科の植物が繁茂し、オアシスの重要な生態系を形成します。

環境条件

砂漠気候は、最暖月の平均気温が10℃以上で、年降水量が乾燥限界の半分に満たない地域において成立します。この条件を満たす場所では、年間平均気温が18℃以上であればBWh、18℃未満であればBWkとして分類されます。これに関しては、特定の式が用いられ、年平均降水量と温度の関係が示されます。

分布

砂漠気候は主に緯度20°から40°の範囲に広がっており、アフリカ、アラビア半島、中央アジア、そしてオーストラリアや南米の西岸地域などで見られます。例えば、北緯15°以北のアフリカやソマリア半島の一部、アラビア半島、ペルシャ湾岸、オーストラリア中西部などの地域は、砂漠気候の典型的な分布地です。また、カラチ、リヤド、バグダードなど、多くの都市がこの地域に点在しています。

環境と生活

砂漠気候の地域では、土壌は風化した砂や岩石が主成分となり、アルカリ性の性質を持っています。このため、塩害が発生しやすいとされています。また、植生は非常に乏しく、主に河川の近くやオアシスなど水分が豊富な所でのみ植物が育ちます。

砂漠地域では、オアシス周辺での農業や地下水道を利用した灌漑が行われており、限られた水源での生産が重要です。さらに、交通手段としては、アフリカではラクダ、アジアではウマが使用され、古代からの交易路が今なお利用されています。

また、高温で乾燥した環境のため、特異な衣装が一般的です。ブルカやガラビアなど、砂漠の厳しい環境に適応した衣服が使用されています。

近年では、海水淡水化技術や水資源の確保によって、一部の都市では急速な発展を遂げ、大都市並みの生活環境が整いつつあります。このような変化により、砂漠気候の地域でも人々が集まり、文化や社会が形成される場となっています。

もう一度検索