セルティック・フロスト

セルティック・フロスト（Celtic Frost）

セルティック・フロストは、スイスのエクストリームメタルシーンを代表するバンドであり、特にブラックメタルやデスメタル、スラッシュメタルなどのジャンルに多大な影響を及ぼしました。その存在は1980年代に確立され、ジャンルの発展に寄与したパイオニアとして知られています。

結成と初期の活動

1984年、前身バンドである「Hellhammer」の解散後、トム・G・ウォリアーとマーティン・エリック・アインを中心に設立されると、彼らは「ケルティック・フロスト」と名乗り、デビュー作『モービッド・テイルズ』をリリースしました。このミニLPはアンダーグラウンドシーンで良好な評価を受け、同年にはドイツとオーストリアで初のツアーを成功させました。

1985年にはファーストアルバム『トゥ・メガ・セリオン』が完成し、これがバンドの代名詞となります。本作は多くのミュージシャンに影響を与え、その後のメタルシーンにおいて重要な存在感を示しています。

音楽スタイルと影響

セルティック・フロストの音楽は、ヘヴィメタルの伝統に根ざしつつ、ゴシックロックやパンクからも強い影響を受けています。彼ら自身が影響を受けたアーティストには、ヴェノムやジューダス・プリースト、ブラック・サバス、さらにはバウハウスやスージー・アンド・ザ・バンシーズといった多様なジャンルが含まれています。彼らはその独自のスタイルによって多くの後進のバンドに道を開く存在となりました。

変遷と再結成

1988年、セルティック・フロストはサードアルバム『Cold Lake』をリリースしますが、その内容がグラムメタル寄りであったためファンからの反発を受けてしまいます。このアルバムは後にバンドにとっての「黒歴史」と認識され、トム・G・ウォリアーもその後のインタビューで失敗作と認めています。1993年には様々なトラブルにより一度解散しますが、2001年に再結成し、2006年には『モノシイスト』をリリースし、リリースに伴うツアーではヨーロッパやアメリカのフェスでヘッドライナーとしても登場しました。

2008年には再び解散し、その後の活動が難航します。2017年、マーティン・エリック・アインの死去を受けて、バンドの存続が事実上不可能となりました。

音楽史への足跡

セルティック・フロストは多くのアーティストに貴重なインスピレーションを与え、特にシンフォニックメタルのセリオンや、デスメタルのディム・ボルギル、セパルトゥラなどのバンドが彼らの楽曲をカバーしています。また、ニルヴァーナのメンバーやデイヴ・グロールなど、多くの著名なミュージシャンに影響を与え、トリビュートアルバムも数多くリリースされました。

結論

セルティック・フロストは、エクストリームメタルの界隈での独自のスタイルと強い影響力により、今なお多くのファンに愛されています。その音楽はジャンルを超えて多くのアーティストに認められ、彼らの足跡は決して色あせることのないものです。

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