セルビア公国 (中世)

セルビア公国とは

セルビア公国（セルビア語: Кнежевина Моравска Србија）は、14世紀後半にバルカン半島に存在した国家です。セルビア帝国が崩壊した後、1371年にラザル・フレベリャノヴィチがセルビアで最も有力な君主となり、その下で成立しました。

歴史

建国とオスマン帝国の脅威

1371年、ネマニッチ朝の断絶によりセルビア帝国が崩壊すると、各地の領主が割拠する状況となります。その中で、ラザル・フレベリャノヴィチが頭角を現し、セルビアの最有力の君主となりました。彼は、オスマン帝国の侵略からセルビアの独立を守るために尽力します。

1386年、オスマン帝国のムラト1世はラザルに対し臣従を要求しますが、ラザルはこれを拒否し、独立を維持しようとしました。このため、1389年にコソボの戦いが勃発します。ラザルはセルビア諸侯と連合軍を組織し、ムラト1世率いるオスマン軍と激戦を繰り広げましたが、戦況はオスマン軍に有利に進みました。ラザル自身も捕虜となってしまいます。

ミロシュ・オビリッチの暗殺とラザルの処刑

戦いの最中、離脱と降伏を装ったセルビア貴族ミロシュ・オビリッチがムラト1世を暗殺するという事件が起こります。しかし、ムラト1世の後を継いだバヤズィト1世は、その報復としてラザルを処刑しました。

オスマン帝国の属国化と滅亡

ラザルの息子であるステファン・ラザレヴィチは、バヤズィト1世に臣従し、1402年以降、セルビアはオスマン帝国の属国として存続することになります。ステファン・ラザレヴィチ、およびその甥にあたるジュラジ・ブランコヴィチは、南のオスマン帝国と北のハンガリー王国の間で巧みな外交政策を展開し、国家の命脈を保ちました。

しかし、ジュラジの死後、セルビアでは政変が相次ぎます。オスマン帝国はこれに乗じてセルビアを徐々に併合していき、1456年からはベオグラード包囲戦が始まりました。そして、1459年6月、首都スメデレヴォがオスマン軍によって占領され、セルビア公国は滅亡。中世セルビア国家はここに終焉を迎えます。セルビア人が再び国家を再建するのは、358年後の1817年まで待たなければなりませんでした。

関連項目

セルビア公国
セルビア公国 (近代)

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