セルビア国営放送

セルビア国営放送（RTS）の解説

セルビア国営放送（セルビア語: Радио-телевизија Србије, 略称РТС, ラテン文字転写RTS）は、セルビアの公共放送を担う重要な組織です。ラジオとテレビ放送を中心に、多岐にわたるメディア活動を展開しています。EBU（欧州放送連合）の正規会員であり、国際的な連携も積極的に行っています。

歴史

RTSの歴史は、ラジオ放送の黎明期に遡ります。

1924年2月：ベオグラード郊外のラコヴィカ送信所からラジオの試験放送が開始されました。
1929年3月24日：ベオグラード放送（Радио Београд）が、セルビア科学アカデミービルから本放送を開始しました。
第二次世界大戦中：ナチス・ドイツ占領下では、傀儡放送局としてプロパガンダ放送に利用されました。
1944年1月10日：ベオグラード解放後、セルビア人の手に戻り放送を再開しました。
1956年7月10日：ニコラ・テスラ生誕百周年を記念して、テレビの試験放送が開始されました。
1958年4月23日：テレビ放送が開始され、ラジオ&テレビ・ベオグラード（Радио-телевизија Београд、略称РТБ, ラテン文字転写RTB）に改称。世界で21番目のテレビ局となりました。最初の番組は生放送のニュースでした。
1958年11月29日：ユーゴスラビア国営放送（Југословенска радио-телевизија、略称ЈРТ、ラテン文字転写JRT）の傘下に入り、RTVベオグラード（РТВ Београд）と呼称されました。
1971年12月31日：第二テレビ（ТВБ、ラテン文字転写TVB）が開局し、カラー放送を開始しました。
1989年7月1日：若者向けの第三チャンネルが開局しました。
1992年1月1日：ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の崩壊に伴い、セルビア国営放送（Радио-телевизија Србије、略称РТС、ラテン文字転写RTS）として独立しました。

ユーゴスラビア時代には、連邦を構成する各共和国の放送局がJRTの傘下にありましたが、各局は独立した法人として、それぞれの言語と文化に基づいた番組編成を行っていました。主な放送局は以下の通りです。

RTVザグレブ（現・HRTクロアチア国営放送）
RTVリュブリャナ（現・RTV スロベニア放送）
RTVサラエボ（現・BHRT ボスニア・ヘルツェゴビナ放送）
RTVスコピエ（現・MRT マケドニア放送）
RTVティートグラード（現・RTCGモンテネグロ放送）
RTVノヴィサド（現・RTVヴォイヴォディナ放送）
RTVプリシュティナ（現・RTKコソボ放送）

主なチャンネル

RTSは、複数のテレビチャンネルとラジオチャンネルを運営しています。

チャンネルРТБ/RTB（通称ТВБ/TVB） - РТС/RTSテレビ 1, 2, 3, 衛星放送、РТС/RTSラジオ 1, 2, 3
チャンネルРТНС/RTNS（ТВНС/TVNS） - РТС-НС(RTS-NS)1, 2, 衛星放送 → その後РТВ/RTVに改称
チャンネルРТП (ТВП) - RTVプリシュティナ → 事実上RTKコソボ放送となっている

RTSは、ニュース、ドキュメンタリー、ドラマ、スポーツ、エンターテイメントなど、幅広いジャンルの番組を制作・放送しています。また、ユーロビジョン・ソング・コンテストなどの国際的なイベントにも参加しています。かつては、CBSのドラマCSI:マイアミなども放送していました。

RTSは、セルビアの文化、歴史、社会を反映した番組を提供し、国民のアイデンティティ形成に重要な役割を果たしています。また、国内外のニュースや情報を提供することで、セルビア国民の知識と理解を深めることに貢献しています。

外部リンク

* セルビア国営放送公式サイト

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