セルース・スカウツ

セルース・スカウツ：ローデシアの特殊部隊

セルース・スカウツは、ローデシア軍に存在した特殊部隊です。部隊章には鶚（みさご）が用いられ、精鋭部隊として知られています。同じく精鋭部隊であるローデシアSASとは異なり、黒人、白人と多様な人種で構成された部隊でした。部隊のモットーは、ショナ語で"PAMWE CHETE!"（意味は「みんな一緒に！」）でした。

起源と創設

セルース・スカウツは、ローデシア警察の諜報機関である「スペシャル・ブランチ」の抗反乱隊に起源を持ちます。この抗反乱隊には、SASなど軍の部隊も関与していました。1973年、抗反乱隊に参加した警官や兵士らを基盤として、軍内部に正式に創設されました。初代指揮官には、ロン・レイド・デイリー少佐が任命されました。部隊の名前は、20世紀初頭にアフリカで活躍したハンターであり探検家であったフレデリック・セルースにちなんで名付けられました。

規模と構成

部隊の兵力は、1974年3月時点で約120人でしたが、最終的には1,800人にまで拡大しました。その内、約900人が黒人隊員でした。多様な人種で構成されていたことが、セルース・スカウツの大きな特徴の一つです。

主な任務と活動

セルース・スカウツは、ゲリラに偽装してのコンバット・トラッキング、偵察、諜報活動、おとり作戦などを専門としていました。隊員は、限られた武器・弾薬と水のみを携行して任務に当たりました。白人隊員は、敵に悟られないように肌を黒く塗るなどの変装も行っていました。

また、ゲリラを説得し転向させる任務も重要な役割でした。セルース・スカウツが転向させた、または他の部隊により転向した元ゲリラが隊員になるケースもありました。

ローデシア紛争における役割

セルース・スカウツは、ローデシア紛争において、その特殊な能力を活かして重要な役割を果たしました。ゲリラ戦術に精通し、敵の内部に潜入して情報を収集したり、敵を欺いたりすることで、戦局に大きな影響を与えました。

関連事項

南西アフリカ警察対不正規戦部隊（SWAPOL-TIN, 通称KOEVOET）
第32大隊 (南アフリカ)
フレシャス
クリス・ショーレンバーグ

外部リンク

* Institute of Rhodesian Army - ローデシア軍の編成

もう一度検索