南西アフリカ警察対不正規戦部隊

南西アフリカ警察対不正規戦部隊（SWAPOL-COIN）、通称クーフト（アフリカーンス語: KOEVOET、鍬の意味）は、南アフリカ統治下の南西アフリカ（現在のナミビア）に存在した南西アフリカ警察(SWAPOL)の準軍事組織です。オペレーションKとも呼ばれ、対反乱(COIN)作戦に従事しましたが、1990年に南アフリカ政府と独立後のナミビア政府との交渉により解散しました。

沿革

背景

[アパルトヘイト]]政策を実施していた南アフリカの国民党政権下において、南西アフリカの現地住民の民族独立を求める南西アフリカ人民機構]との間で紛争（[[ナミビア独立戦争）が激化しました。南西アフリカ警察(SWAPOL)はこれに対応するため、ローデシア紛争での経験を持つ南アフリカ警察(SAP)のハンス・ドレイヤー大佐（当時）が、対テロ部隊の設立を提唱しました。創設時の隊員は、警察特殊タスクフォースなどから訓練を受け、1980年代には1,000人を超える規模に拡大しました。

南アフリカ共和国による設立

1975年、南アフリカ共和国の国防相ピーター・ウィレム・ボータは、アンゴラ解放人民運動（MPLA）を支援するソビエト連邦とキューバに対抗するため、アンゴラ内戦に直接介入する方針を決定しました。サバンナ作戦では、アンゴラに武力侵攻を行い、MPLAと対立するアンゴラ民族解放戦線（FNLA）やアンゴラ全面独立民族同盟（UNITA）に属するアンゴラの黒人を引き入れ、第32大隊や南西アフリカ警察対不正規戦部隊を組織しました。

特に、ボータはUNITAのジョナス・サヴィンビ議長と親交を深め（象牙のAK-47を贈られたという逸話も残っています）、南アフリカ軍はUNITAを支援する軍事作戦を連続して実行しました。クイト・クアナヴァレの戦いは、第二次世界大戦以来のアフリカ大陸における最大規模の戦闘の一つとされています。

第32大隊は、アンゴラ内戦やナミビア独立戦争に投入され、アンゴラではクトゥ・クアナヴァールの戦いに参加しました。

戦果

クーフトは解散までに1,615回の戦闘を経験し、3,225人ものゲリラを殺害または逮捕したと推測されています。その戦果は目覚ましいものでしたが、同時に、その活動は物議を醸すものでもありました。

戦術

クーフトは、少数の白人指揮官と多数の黒人隊員によって編成されていました。隊員は主にオバンボ方言を話すオバンボ人で構成され、アンゴラ民族解放戦線のメンバーなども所属していました。部隊の性質としては、ローデシア軍のセルース・スカウツや、ポルトガル領モザンビークのフレシャス、南アフリカ防衛軍の第32大隊といった、アフリカ系の現地人を主体とした特殊部隊と類似しています。

彼らが主に行っていた戦術は、足跡などを頼りに逃走するゲリラを追跡するコンバット・トラッキングという追跡術です。黒人隊員は、小火器の扱いとともに、トラッカーとしての訓練を受けていました。SWAPOは自動小銃だけでなく、ロケット砲や迫撃砲、対空兵器などで武装し、地雷などを埋設していたため、クーフトの隊員は地雷対策を施したキャスパー装甲兵員輸送車に随伴し、ヘリコプターによる航空支援を受けながら任務にあたっていました。

クーフトは、当時の南アフリカ国防軍が使用していたベクターR4シリーズ（IMIガリルのコピー）を主に使用していましたが、SWAPOなどから鹵獲したAK47やPKM機関銃といった共産圏製の銃器を隊員が使用している写真も残されています。

関連項目

ピーター・ウィレム・ボータ
セルース・スカウツ
第32大隊 (南アフリカ)
フレシャス

外部リンク

Koevoetの補足
ミリタリーショップ　パラベラムブログ - Insurgency War6

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