セロ・デ・パスコ

セロ・デ・パスコは、ペルー中部のアンデス山脈に位置する都市で、パスコ県の県都です。人口は約7万人で、標高4330mという世界でも有数の高地に位置しています。ヤナカンチャ地域では4380mにも達し、首都リマからは約300km離れています。

鉱業の歴史と現状

17世紀初頭に銀鉱が発見されて以来、セロ・デ・パスコは世界有数の銀の産地として発展しました。スペインによる搾取の時代を経ても、鉱業は依然としてこの都市の主要な産業であり続けています。

現在、鉱山はボルカン・コンパニーア・ミネーラ社によって経営されています。同社は20世紀の民営化の際にセントロミン社から採掘権を取得しました。2006年の生産量は、鉛5.83万トン、亜鉛15.53万トン、銀850万オンスなど、総計334万トンに達しています。ただし、これらの数値が採掘量なのか、実際に取り出された量なのかは明確ではありません。かつては銅の生産も行われていましたが、現在は停止しており、コルキヒルカの西の線路近くには古い精錬所の廃墟が残っています。

また、グレイ・ブレチンによれば、セロ・デ・パスコの鉱山は、かつてウィリアム・ランドルフ・ハーストとその家族にとって主要な収入源であったとされています。

気候

セロ・デ・パスコの気候は、標高の高さから非常に厳しいものとなっています。年間平均気温は5.5度で、最も暖かい月でも平均気温が10度を超えることはありません。年間平均降水量は999mmです。

気候区分は、高山気候またはツンドラ気候（ケッペンの気候区分ではETw）に分類されます。また、亜極海洋性気候 (Cwc) に分類されることもあります。湿度は夏に高く、冬に低くなりますが、気温は一年を通して低い状態が続きます。降雪も頻繁に見られます。

セロ・デ・パスコの厳しい気候は、住民の生活に大きな影響を与えています。しかし、鉱業によって培われた歴史と文化は、この都市のアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしています。

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