セントクラウド (ミネソタ州)

セントクラウド（St. Cloud）

セントクラウドは、アメリカ合衆国ミネソタ州中部に位置する都市であり、ミネアポリス・セントポールの北西におおよそ100kmの距離にあります。2020年の人口は6万8881人で、その地域の大部分はスターンズ郡に属し、一部は隣接するベントン郡やシャーバーン郡にも広がっています。セントクラウド都市圏はスターンズ郡とベントン郡から成り、それらは広域都市圏としてミネアポリス・セントポールと結びついています。市名はフランスのサン＝クルーに由来し、その名称は6世紀のフランスの僧侶に起源を持ちます。

歴史

セントクラウド地域には、何千年も前から様々な先住民が居住していました。特にオタワ族、オジブワ族、およびホーチャンク族（ウィネベーゴ族）がこの地に定住していたとされています。1849年にミネソタ準州が設立されると、1851年から1852年にかけてホーチャンク族との交渉が進み、その後入植が始まりました。入植者の一人であるジョン・ウィルソンは、ナポレオンに影響を受け、サン＝クルーにちなんでこの地域に「セントクラウド」という名を付けました。1856年には正式に市として法人化され、この地はレッド・リバー・トレイルにおける重要な交易地点となりました。

市は1853年からの入植を経て、アッパータウン、ミドルタウン、ロウアータウンという3つの地区から発展し、これらは様々な背景をもつ人々によって形成されました。当時、セントクラウドは奴隷制の廃止を求める動きと、奴隷を連れてきた者との対立の中で歴史を歩んできました。1860年には南北戦争が勃発し、その影響で多くの南部人がセントクラウドを離れることになりました。

1880年代には御影石の採石が行われ、「御影石の街」と称されるようになりました。また、1912年から1914年にかけて下流にダムが建設され、蒸気船の定期運行が衰退しました。1998年には都市でガス爆発事故が発生し、多数の負傷者と損害をもたらしました。

地理

セントクラウドは北緯45度33分14秒、西経94度10分13秒に位置し、標高は314メートルです。市は106.35平方キロメートルの面積を有し、その内の103.62平方キロメートルは陸地です。ミシシッピ川が市域を南北に流れ、ダウンタウンはその西岸に位置しています。市内にはジョージ湖やソーク川が流れ、自然豊かな環境が魅力です。

気候

セントクラウドの気候は大陸性で、夏は時に蒸し暑く、冬は寒さと降雪が厳しい特徴があります。夏は最高気温28℃、冬は氷点下11℃に達することがあります。年間降水量は約700mmで、冬季には降雪も相当量あります。

政治

セントクラウドは市長制を採用しており、市長は市の行政実務の最高責任者です。議会は市の立法機関として機能し、市条例や予算案を決定します。市はミネソタ州議会に属し、周辺地域と共にミネソタ第6区に位置しています。

交通

セントクラウド地域空港はダウンタウンから約7km東に位置しており、主にゼネラル・アビエーションが利用されています。州間高速道路I-94が市の南側を通り、ミネアポリス・セントポールへ直通します。公共交通機関としてメトロバスが運行され、地域内を網羅するバス網を展開しています。

教育

セントクラウド州立大学が市内にあり、約14,000人の学生が学んでいます。また、K-12教育も充実しており、多くの公立およびカトリック系学校が存在します。セントクラウドには充実した図書館システムもあり、地域の教育や文化に貢献しています。

文化と名所

市内にはスターンズ歴史博物館やパラマウント芸術センター、採石場公園などがあり、セントクラウドにおける地域の歴史や文化を体験できます。さらに2つの植物園も存在し、自然環境を楽しむことができます。また、セントクラウド司教区は地域のカトリック信者の中心となっており、コミュニティの一部として重要な役割を果たしています。

姉妹都市

セントクラウドは秋田市（日本）およびシュパルト（ドイツ）と姉妹都市提携を結んでいます。姉妹都市交流は地域の文化交流や国際的な理解を深めるための重要な活動の一部です。

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