セントジョンザバプテスト郡 (ルイジアナ州)

セントジョンザバプテスト郡：歴史と文化が息づくルイジアナの地

セントジョンザバプテスト郡は、アメリカ合衆国ルイジアナ州南部に位置する郡です。この地域は、18世紀にドイツ系移民によって開拓された歴史を持ち、ミシシッピ川沿いの肥沃な土地を利用した農業が発展しました。

地理と人口

2010年の国勢調査によると、郡の人口は45,924人で、2000年から6.7％増加しています。郡庁所在地はエドガード、最大の町はラプラスです。ニューオーリンズ大都市圏の一部であり、ニューオーリンズとボガルーサを結ぶ広域都市圏にも含まれています。

郡の面積は348平方マイルで、そのうち陸地は219平方マイル、水域は129平方マイルです。ミシシッピ川が郡を二分しており、東岸と西岸に分かれています。年間降水量は平均53.2インチで、1月の平均気温は12.8℃、7月の平均気温は28.7℃です。

歴史

セントジョンザバプテスト郡は、ルイジアナで2番目に古い恒久的な開拓地であり、ジャーマン・コーストの一部として知られています。1720年代にドイツ人開拓者が入植し、ルーシー、ゲリービル、リザーブなどの町が設立されました。その後、アカディア人も入植し、フランス文化も栄えましたが、フランス語が主流となりました。この地域は、七年戦争後の1768年までフランスの支配下にあり、その後スペインに移行しました。

18世紀後半には、砂糖プランテーションが発展し、労働力として奴隷が導入されました。砂糖生産は農園主とニューオーリンズに繁栄をもたらし、豪奢な邸宅が建てられました。郡内には、エバーグリーン・プランテーション、ホィットニー・プランテーション歴史地区、サンフランシスコ・プランテーション・ハウスという3つの歴史的建造物が残っています。特にエバーグリーン・プランテーションは国定歴史建造物であり、観光客に公開されています。

1811年には、ジャーマン・コースト暴動と呼ばれる大規模な奴隷反乱が発生しました。200人以上の奴隷がプランテーションから集まり、ニューオーリンズへ向かって行進しましたが、民兵隊によって鎮圧され、多くの奴隷が命を落としました。この反乱は、自由への深い願望を示すものでした。

開拓者の増加に伴い、教育の需要も高まりました。南北戦争以前は、農園主が家庭教師を雇い、子供たちを教育していました。南北戦争後には、公立学校が設立され、1909年には最初の高等学校がエドガードとリザーブに設立されました。

経済

セントジョンザバプテスト郡は、ミシシッピ川沿いの肥沃な土地を利用した農業が盛んです。特にサトウキビ栽培が盛んで、昔から多くのプランテーションが営まれてきました。また、郡内には化学プラントや石油プラントも多く、地域の雇用を支えています。

交通

郡内には、州間高速道路10号線と55号線が通っており、交通の便が良いです。東岸にはアメリカ国道61号線（エアライン・ハイウェイ）が走り、西岸にはルイジアナ州道18号線（グレート・リバーロード）が通っています。退役兵記念橋（グラマシー橋）は、西岸と東岸を結ぶ重要な橋です。

主要な町

郡内には、以下の町があります。

ルーシー（西岸）
エドガード（郡庁所在地、西岸）
ウォレス（西岸）
ラプラス（東岸）
リザーブ（東岸）
ライアンズ（東岸）
ゲリービル（東岸）
マウントエアリー（東岸）

また、かつて栄えたラドックとフレニエの町は、ハリケーンで破壊され、現在ではゴーストタウンとなっています。

教育

郡内には、10の公立学校と5つの宗教学校、2つの私立学校があります。セントジョンザバプテスト郡教育委員会が公立学校を運営しています。


セントジョンザバプテスト郡は、歴史的な背景と豊かな自然、そして多様な文化が共存する魅力的な地域です。プランテーション建築、奴隷反乱、そしてドイツ、フランス、アカディアの文化が融合し、独特の文化を形成しています。

もう一度検索