セントジョンズ (ニューファンドランド・ラブラドール州)

セント・ジョンズ

セント・ジョンズ（英語: St. John's）は、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州に位置する州都であり、人口は99,512人（2001年統計）。広域圏の人口は約17万人に達します。アバロン半島の東端に所在し、港町として知られるこの地域は、世界一霧の多い場所としてギネス世界記録にも認定されています。また、同名の州とは無関係で、ニューブランズウィック州のセント・ジョンとは異なる街です。

歴史

セント・ジョンズの起源は1497年、探検家ジョン・カボットがこの地に上陸したことに始まります。この上陸地点については、今も議論が続いています。続いて、16世紀初頭よりポルトガル、フランス、イギリスなどの探検隊や漁船がこの付近を訪れ、漁業の季節キャンプが行われるようになりました。1519年のポルトガルの地図には「サン・ジョアン」として名前が載り、繁華街のウォーター・ストリートもこの時期には原型を成しています。

1583年には、エリザベス1世の命を受けた探検家サー・ハンフリー・ギルバートが這い上がり、イギリス最初の植民地と宣言されましたが、その後の定住は1630年代に入ってからとなります。この間、人口は漁のシーズンに応じて変動し、夏には多くの漁師が訪れる賑わいを見せました。

町の防衛が必要となったのは、競争の激化からのことです。1665年には一時的にオランダ軍によって占領される事件が発生し、その後もフランス軍による攻撃がありました。イギリス政府は1696年より町の要塞化を進め、1762年にはシグナルヒルでの戦闘によってフランス軍を降伏させました。

18世紀には、ニューファンドランド植民地の政府が設置され、教会や商業活動が発展し始め、やがてセント・ジョンズは水産業と軍の拠点、さらに商業の中心地として成長していきました。1949年には、ニューファンドランドがカナダに編入されると共に州都としての位置づけが確立されました。

地理

セント・ジョンズは北米で最も東に位置する都市で、アトランティック・カナダではハリファックスに次ぐ規模を誇ります。独特の位置により、地域の気候は海洋性で、夏は涼しく、冬は穏やかですが、強風や霧が多いことで知られています。

経済

かつては漁業が盛んなこの町ですが、現在では水産業と海底油田・ガス田関連の産業が主な経済基盤となっています。観光業の伸びや新しい産業の誘致も期待されていますが、州全体では漁業の衰退が影を落としています。

近郊に住む科学者や技術者の増加は、将来的な経済の発展に寄与する可能性があります。それでも州全体では漁獲制限の影響で生活が厳しくなっている漁民が多く、セント・ジョンズの成長が州全体を引っ張るほどには至っていません。

観光

セント・ジョンズでは、さまざまな観光名所があります。シグナル・ヒルはその一つで、町を一望できる丘の上にあるカボット・タワーは1897年に建てられ、フレンチ・インディアン戦争の最後の戦闘の場所でもあります。さらに、ジョージ・ストリートにはパブやレストランが立ち並び、賑やかな雰囲気が楽しめるスポットです。

また、ジョンソン・ジオセンターでは地熱発電や地学に関する展示が行われており、教育や理解の場ともなっています。交通面では、セント・ジョンズ国際空港があり、訪れる際に利便性が高いのも魅力です。

住宅地や自然も豊富にあり、観光客にとって見どころが多いセント・ジョンズは、独自の歴史と文化を持つ魅力ある都市です。

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