ニューファンドランド・ラブラドール州

ニューファンドランド・ラブラドール州

ニューファンドランド・ラブラドール州（英: Newfoundland and Labrador、仏: Terre-Neuve-et-Labrador）は、カナダの北東部に位置する州で、ラブラドール半島の東部とニューファンドランド島から成り立っています。この州は、独自の文化と豊かな自然で知られ、多くの観光客を惹きつけています。州のモットーは、ラテン語で「神の国をまず求めなさい」を意味します。「Quaerite Primum Regnum Dei」です。

歴史

この地には、かつて先住民族であるベオスーク族やミグマ族が住んでいました。10世紀末には、ヴァイキングが北アメリカに初めて入植した地ともされ、現在は世界遺産に登録されているランス・オ・メドーの遺跡がその証です。ニューファンドランド島は、コロンブスによる新大陸の発見以前から、ビジターに人気があり、特に漁業が盛んでした。

15世紀後半にポルトガルの探検家がこの地域を「テラ・ノバ」と名付け、その後、1497年にはジョン・カボットがイギリスの植民地としました。この地域は漁業権や領土を巡ってしばしば英仏間の対立の舞台となります。1854年には自治政府が樹立され、1907年には事実上の独立国となりますが、第一次世界大戦や大恐慌によって経済的に苦境に立たされ、1934年には再びイギリスの直轄植民地となりました。

1949年には住民の投票を経て、カナダの10番目の州として加入します。その際、ニューファンドランド州と名付けられ、1964年からはニューファンドランド・ラブラドール州とも呼ばれるようになりました。2001年には公式に現在の名称が採用されました。

地理

ラブラドール半島は寒冷な気候で、樹木は育つものの農作物の栽培には適していません。一方、ニューファンドランド島は海洋性気候に恵まれ、多様な生態系を支えています。この地域は、寒流のラブラドル海流と暖流のメキシコ湾流が交じり合っており、好漁場が形成されています。特にグランドバンクはその中でも有名です。

世界遺産

ニューファンドランド・ラブラドール州には、バイキングの遺跡である「ランス・オ・メドー国定史跡」があり、北米では唯一のバイキング集落です。また、グロス・モーン国立公園もあり、自然の美しさを楽しむことができます。

主な都市

州内には、セント・ジョンズやコーナー・ブルックといった主要都市があります。これらの都市は、文化や教育の中心地としても知られています。特にニューファンドランドメモリアル大学は、地域の高等教育を支える重要な存在です。

エピソード

ニューファンドランド・ラブラドールは、そのユニークな地名でも知られています。「Come By Chance」や「Mosquito」といった名前は特に興味深いものです。また、州に由来する犬種であるラブラドール・レトリーバーとニューファンドランド犬は、海難救助を目的とした作業犬として活躍していました。これらの犬種は、州の象徴として特別な地位を持っています。

この州の深く豊かな歴史や文化、自然の美しさは、訪れる人々に多くの感動を提供しています。

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