セントジョヴァイト

セントジョヴァイトは、カナダ・ケベック州の地名に由来する名を持つサラブレッド競走馬です。父はプレザントコロニー、母はノーザンサンセットという血統で、黒鹿毛の美しい馬体をしていました。その競走生活はまさに輝かしいものでした。

2歳時には3戦3勝という圧倒的な成績でアイルランド2歳チャンピオンの称号を獲得。フランスのグランクリテリウムにも挑戦しましたが、惜しくも4着に終わりました。

3歳になると、ダービートライアルステークスを圧勝し、エプソムダービーへの期待が高まりました。しかし、調教中の軽傷が響いたのか、ライバルであるドクターデヴィアスに2馬身差で敗れ2着となりました。しかし、この敗戦は、セントジョヴァイトの潜在能力を隠すものではありませんでした。続くアイリッシュダービーでは、それまでのレコードを3秒も更新する驚異的なタイムで優勝。2着のドクターデヴィアスに12馬身もの差をつける圧勝劇は、20世紀の欧州主要クラシックレースにおける最大着差として記録されました。続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスでも、1番人気に応え、6馬身差で勝利を収めました。

これらの勝利は、セントジョヴァイトがいかに優れた能力を持つ競走馬であったかを証明しています。しかし、その後は、アイリッシュチャンピオンステークスでドクターデヴィアスに短頭差で敗れ、凱旋門賞では4着に終わるなど、苦杯をなめる場面もありました。アメリカでの出走も計画されていましたが、屈腱炎を発症したため、1992年に惜しまれながら引退することとなりました。

引退後は、種牡馬としての道を歩み始めます。1993年からアメリカ・ケンタッキー州のペイソンスタッド、2006年から2014年まではアイルランドのグリーンツリースタッドで供用されました。しかし、種牡馬としては、ステークス勝ち馬8頭（全体の1.3%）、G1馬は1998年にサンフアンカピストラーノインビテーショナルハンデキャップを制したAmeriqueのみと、その能力を十分に発揮するには至りませんでした。

2016年、功労馬として繋養されていたBaysax Manor Studにて、老衰による衰弱が深刻化したため、安楽死の処置がとられました。

セントジョヴァイトの競走成績を振り返ってみると、2歳時はアングルシーステークス(G3)と[アイルランド]]フューチュリティステークス(G3)で1着。3歳時は、ダービートライアル(G3)、[[アイリッシュダービー]、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(G1)で1着、エプソムダービー(G1)と[アイリッシュチャンピオンステークス]で2着という輝かしい戦績を残しています。

短い競走生活ではありましたが、その圧倒的な強さと、惜しまれる引退、そして種牡馬としての歩み、セントジョヴァイトは多くの人の記憶に刻まれた、偉大な競走馬と言えるでしょう。その名前は、競馬史に永遠に刻まれることでしょう。

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