セントラル・アーツ

株式会社セントラル・アーツ

株式会社セントラル・アーツ（英: K.K.Central Arts）は、日本における映画およびテレビの制作プロダクションで、芸能事務所としても広く知られています。1980年に東映芸能ビデオの子会社として設立されたこの会社は、東映と共に東京地域での製作活動に貢献し、自社制作のライセンス業務にも携わっています。設立初期には、松田優作主演の作品や角川映画の下請けなどが主な制作活動でしたが、1985年に公開された『ビー・バップ・ハイスクール』が若年層に支持され、以降、東映の代表的なシリーズとなりました。松田に続いて仲村トオルも所属し、『新宿純愛物語』など多くの仲村主演作品も製作されるようになりました。また、テレビドラマ『あぶない刑事』のヒットにより、セントラル・アーツは脚光を浴びるようになります。

設立経緯

1977年4月、黒澤満が日活を退社し、東映社長の岡田茂の誘いを受けて東映に入社しました。これがセントラル・アーツ設立の起源とされています。黒澤を中心とする日活出身のスタッフが集まり、東映芸能ビデオの製作部門としての活動が始まりました。「セントラル・アーツ」という名前は、黒澤の意向を尊重しつつ、映画制作にふさわしいものとして名付けられたと言われています。

岡田が黒澤に設定した製作の条件は、1本あたりの製作費を3000万円、撮影日数を2週間、全ロケーションで行うものでした。これは当時の日活ロマンポルノに匹敵する規模での制作が行われることを意味しました。セントラル・アーツは、様々な制作体勢の確立を目指し、時には他の撮影所を使用することもありましたが、東映本社からの強い抵抗もあり、結局は多くの作品が東映東京撮影所で制作されることとなりました。

主な作品と業績

セントラル・アーツは、松田優作をスターダムに押し上げ、『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズや『あぶない刑事』シリーズなど数多くのヒット作を生み出しました。1989年には長渕剛主演の『オルゴール』を製作し、ヒットを記録しましたが、次作の『ウォータームーン』は内容の破綻から多くのトラブルを抱えることとなりました。このように、セントラル・アーツは多くの俳優やクリエイターに新たな機会を与え、自社製作作品に多様性を持たせることで成功を収めてきました。特に松田優作の活躍は大きく、彼の遺産は今もなお影響を与えています。

最近の状況

しかし、2018年には製作事業を一時休止する措置を取り、今後の製作活動の再開については不透明な状況が続いています。この背景には在籍していた社員の退社があったためで、同社は今後、版権業務を続ける意向を示しています。2018年11月30日には黒澤満代表取締役が亡くなり、その後の事業運営に影響を及ぼしています。

結論

セントラル・アーツは、多くの名作を世に送り出し、日本映画界における重要な役割を果たしてきました。今後の制作活動については未知数ではありますが、過去の功績は今も多くのファンと関係者に支持されています。

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