セントルイス交響楽団

セントルイス交響楽団（Saint Louis Symphony Orchestra, SLSO）は、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスを拠点とする名門オーケストラです。

沿革と概要

1880年に創設されたSLSOは、ニューヨーク・フィルハーモニックに次いで、アメリカで2番目に長い歴史を持つオーケストラとして知られています。セントルイスのパウエル・シンフォニー・ホールを本拠地とし、定期的にカーネギー・ホールでの演奏会や海外ツアーを開催するなど、国際的な活動も積極的に展開しています。また、附属の合唱団やセントルイス・ユース・シンフォニーを擁し、次世代の音楽家の育成にも力を入れています。

SLSOは、地域社会への貢献も重視しており、教育機関での無料コンサートを年間350回も実施しています。さらに、地元の黒人教会との連携を通じて、聖歌隊や信徒との共演を行うなど、多様な文化交流を促進しています。

1979年にレナード・スラットキンが音楽監督に就任すると、SLSOは飛躍的な発展を遂げました。1983年には、『タイム』誌の全米オーケストラランキングでシカゴ交響楽団に次ぐ第2位にランクインし、その名声を確立しました。

ストライキ

2005年6月には、楽団員が「不正契約」を主張してストライキを決行する事態が発生しました。しかし、2ヶ月後には、賃金や福利厚生の改善を盛り込んだ新契約が締結され、総裁ランディ・アダムズとの間で和解が成立しました。

録音

SLSOは、自主レーベル「アーク・メディア」（Arch Media）を通じて数多くの録音をリリースしており、これまでにグラミー賞に56回ノミネートされ、6回の受賞を果たしています。

音楽監督

現在の音楽監督はステファヌ・ドゥネーヴが務めており、イツァーク・パールマンが音楽顧問としてサポートしています。過去には、ヨーゼフ・オッテン、アルフレッド・エルンスト、マックス・ツァール、ルドルフ・ガンツ、ウラディミール・ゴルシュマン、エドゥアール・ヴァン・ルモーテル、エレアザール・デ・カルヴァーリョ、ワルター・ジュスキント、イェジー・セムコフ、レナード・スラットキン、ハンス・フォンク、デイヴィッド・ロバートソンといった著名な指揮者が音楽監督を務めました。

SLSOは、その長い歴史と卓越した演奏を通じて、アメリカ音楽界において重要な役割を果たし続けています。

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