レナード・スラットキン

レナード・スラットキン

レナード・スラットキン（Leonard Slatkin, 1944年9月1日 - ）は、アメリカ合衆国出身の著名な指揮者であり、ユダヤ系の血を引いています。

人物と経歴

スラットキンは、音楽一家に生まれ育ちました。父は指揮者、ヴァイオリニストであり、ハリウッド弦楽四重奏団の創設者であるフェリックス・スラットキン、母は同四重奏団のチェリスト、エレノア・アラーという音楽に囲まれた環境でした。インディアナ大学とロサンジェルス市立大学で学んだ後、ジュリアード音楽院に進み、ジャン・ポール・モレルに指揮法を師事しました。1966年に指揮者としてデビューし、1968年にはセントルイス交響楽団の指揮者助手となります。

1977年からはニューオーリンズ・フィルハーモニー管弦楽団（現ルイジアナ・フィルハーモニー管弦楽団）の指揮者を務め、1979年にセントルイス交響楽団の音楽監督として復帰しました。セントルイス交響楽団では、その音楽的水準を飛躍的に向上させ、楽団の知名度を大きく高めることに貢献しました。1996年からはワシントンD.C.のナショナル交響楽団に移籍し、2000年～2001年シーズンからはBBC交響楽団の首席指揮者にも任命されました。

BBC交響楽団の首席指揮者就任初年度には、シーズンを締めくくるプロムス・ラストナイトが2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件と重なるという困難に見舞われましたが、精力的に活動を続けました。しかし、BBCとの関係が悪化し、2004年9月11日の第110回プロムス最終夜をもって辞任しました。ナショナル交響楽団については、2007年～2008年シーズンをもって辞任し、2008年～2009年のシーズンからはデトロイト交響楽団の音楽監督に就任しました。さらに、2011年～2012年シーズンからはリヨン国立管弦楽団の音楽監督にも就任しています。

スラットキンのレパートリーは非常に幅広く、特に20世紀のアメリカ合衆国の音楽の擁護者として知られています。近年では、イギリスのシャンドス・レーベルに、同名の先輩指揮者であるバーンスタインの交響曲全3曲を録音するなど、意欲的な活動を展開しています。また、イギリス音楽にも造詣が深く、VOXレーベルへのラフマニノフ管弦楽曲全集・交響曲全集は、音楽愛好家の間で非常に高い評価を得ています。作曲家としても活動しており、エドガー・アラン・ポーの詩によるナレーターつき管弦楽曲『ワタリガラス』（1971年）などの作品があります。

エピソード

セントルイス交響楽団時代には、地元の野球チーム、カージナルスがワールドシリーズに出場した際、定期演奏会の聴衆に試合の途中経過を頻繁に「実況中継」したというエピソードが残っています。また、来日時には不二家ネクターを愛飲していることでも知られています。

外部リンク

* Leonard Slatkin official website

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