セント・ジョージ教区 (グレナダ)

セント・ジョージ教区は、グレナダの行政区画の一つであり、グレナダ島の南西部に位置しています。教区の中心地は、国の首都でもあるセントジョージズです。面積は約65平方キロメートルで、セント・アンドリュー教区に次ぐ広さを誇ります。また、グレナダの最西端であるサリンス岬、最南端のグローヴァー島もこの教区に属しています。

人口は約4万人（2019年推計）で、国内の行政教区の中で最も多く、国民の3分の1がこの地域に居住しています。セント・ジョージ教区は、その歴史の中で変遷を経験してきました。1649年にフランスによってバセテール教区として設立され、その後イギリス領となり、1763年にセント・ジョージ教区へと改称されました。1770年には、蟻による食害が発生し、砂糖プランテーションが壊滅的な被害を受けました。この食害は隣接するセント・ジョン教区にも広がり、グレナダの砂糖産業に深刻な打撃を与えました。1976年には、トゥルー・ブルーにセントジョージズ大学が開校しています。

セント・ジョージ教区は、豊かな自然環境に恵まれており、観光業が盛んです。教区の南部沿岸部には、美しい砂浜が広がるグラン・アンスビーチがあり、北部にはアナンデイル滝といった熱帯雨林を楽しむことができます。首都セントジョージズは、「カリブ海で最も美しい首都」と称され、その独特な街並みは観光客を魅了しています。セント・ジョージ教区は、島の玄関口としての役割も担っています。属領であるカリアク島やプティトマルティニーク島、そして国外を結ぶフェリーの発着港があり、国内唯一の空港であるポイント・サリンス国際空港も所在しています。

しかし、セント・ジョージ教区は、度々ハリケーンの被害に見舞われています。1955年9月にはハリケーン・ジャネット、2004年9月にはハリケーン・アイバンによって多くの建物が破壊され、数十人の死者が出ました。主要な都市としては、カリヴィニー、グラン・アンス、ハッピー・ヒル、Ka-fe Beau、セントジョージズ、トゥルー・ブルー、ウィリスなどが挙げられます。特にトゥルー・ブルーにはセントジョージズ大学が、ウィリスにはアナンデイル滝があります。

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