セント・ヘレンズ (マージーサイド)

セント・ヘレンズ：産業とスポーツの街

セント・ヘレンズは、イングランド北西部マージーサイド州にある歴史豊かな町です。1868年に大都市自治区の一部となり、現在もその中心都市として繁栄しています。2001年の国勢調査では、町の人口は約10万人を超え、周辺地域を含めると人口は約17万人に達します。

産業革命の遺産

18世紀から19世紀にかけての産業革命において、セント・ヘレンズは重要な役割を果たしました。豊富な石炭資源と交通の便の良さから、炭鉱業、ガラス製造業が急速に発展しました。綿織物やリネン産業も盛んで、19世紀中頃まで地域経済を支えました。塩業、石灰坑、銅精錬、ビール醸造業なども栄え、多様な産業構造を形成していました。

これらの産業の中には、時代遅れになったり、資源が枯渇したりして衰退したものが多くあります。しかし、ガラス産業は例外です。世界的に有名なガラスメーカー、ピルキントン社の本社がセント・ヘレンズに置かれ、現在でも多くの雇用を創出しています。また、かつては世界的な製薬会社グラクソ・スミスクラインの前身であるビーチャム・グループの本社もここにありました。これらの企業の存在が、セント・ヘレンズの経済を支え続けています。

スポーツの盛んな街

セント・ヘレンズは、活気あるスポーツ文化でも知られています。

ラグビーリーグ

ラグビーリーグにおいては、1873年創設のセント・ヘレンズRFC（愛称セインツ）が町の誇りです。2012年には新しいスタジアムに移転し、プロリーグで活躍を続けています。数多くのアマチュアチームも存在し、地域リーグで熱戦を繰り広げています。ブラックブルックARLFC、Bold Miners、Clock Face Minersなど、多くのチームが地域リーグであるBARLAノースウェスト・カウンティーズ競技会に参加しています。

ラグビーユニオン

ラグビーユニオンも盛んで、リヴァプール・セント・ヘレンズFCは、「世界最古のオープンラグビークラブ」を自称する歴史あるクラブです。

サッカー

サッカークラブ、セント・ヘレンズ・タウンFCはアマチュアリーグに所属していますが、1986-87シーズンにはFAヴェイスで優勝を果たすなど、地域で高い人気を誇ります。

クリケット

クリケットにおいても、セント・ヘレンズ・クリケット・クラブ（1843年創設）やセント・ヘレンズ・レクリエーション・クリケット・クラブなど、多くのアマチュアチームが活動しています。

その他のスポーツ

かつてはアメリカンフットボールチーム、セント・ヘレンズ・カーディナルズも存在し、グレイハウンド・レーシングも盛んに行われていました。

著名な出身者

セント・ヘレンズは、女優のエマ・リグビー、オートバイレーサーのジェフ・デューク、映画監督のデヴィッド・イェーツなど、多くの著名人を輩出しています。他にも、指揮者、サッカー選手、生化学者など、様々な分野で活躍する人材が生まれ育っています。

姉妹都市

セント・ヘレンズは、フランスのシャロン＝シュル＝ソーヌとドイツのシュトゥットガルトと姉妹都市提携を結んでいます。

まとめ

セント・ヘレンズは、産業革命の遺産と活気あるスポーツ文化を併せ持つ、魅力的な町です。歴史と伝統を大切にしながらも、常に発展を続け、未来を見据えている様子が伺えます。

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