セント・マリー・ザ・クラウンズ教会

セント・マリー・ザ・クラウンズ教会の紹介

セント・マリー・ザ・クラウンズ教会（英: Cathedral of Saint Mary the Crowned）は、ジブラルタルに位置するカトリック教会の司教座聖堂です。この教会は、カトリック教区における信者の礼拝の中心であり、長い歴史と豊かな文化的背景を持っています。

歴史的な経緯

15世紀の建立

この教会は15世紀に設立され、元々はスペインの支配時代に、ムーア人から奪取した町を祝して築かれたものでした。先に存在したモスクは取り壊され、その跡地に「Santa Maria la Coronada y San Bernardo」という名の教区教会として聖別されました。後に、カトリック両王の治世下で新たにゴシック様式の教会が再建されました。教会の中庭は、かつてモスクにあった広大な広場の名残であり、カトリック両王の紋章が今でも見ることができます。教会の敷地は、かつてのメイン・ストリートの対面まで及んでいました。

18世紀から20世紀の影響

教会は1704年のジブラルタル占領時に略奪を逃れた唯一のカトリック施設として重要です。当時の敬虔な司祭、Juan Romero de Figueroaとその補助司祭はこの教会を守り抜きました。このため、キリスト教徒による町の再占領後もカトリックの礼拝が中断されることはありませんでした。

また、1779年から1783年にかけてのジブラルタル包囲戦で教会は深刻な被害を受け、1790年に当時の総督ロバート・ボイドが教会の再建を提案しました。その結果、教会は1810年に再建され、メイン・ストリートの道路も広げられました。1820年には時計塔が追加され、1931年に西側のファサードがその後の修復工事で改善されました。

19世紀までは、ジブラルタルで亡くなった者の埋葬地としてこの教会が利用され、特に司教たちは聖母マリア像の下にある地下聖堂に安置されました。1943年には、ジブラルタル沖で航空事故に遭ったヴワディスワフ・シコルスキの棺が教会内で公開され、多くの人々が訪れました。

現在の教会

セント・マリー・ザ・クラウンズ教会は、現在も活発なカトリック信者によって利用されており、定期的な礼拝や特別な行事が行われています。教会はその美しい建築と歴史的な価値から、広く観光名所ともなっており、訪れる観光客にも人気があります。

この歴史ある聖堂には、古き良き時代の面影とともに、現代の文化的・宗教的意義が息づいており、ジブラルタルの信者や観光客にとって欠かせない場所となっています。

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