センド国際宣教団

センド国際宣教団

概要

センド国際宣教団（英語名称：Send International）は、日本を拠点に活動を展開している福音主義の宣教団体です。キリスト教の福音を伝え広めることを目的として、様々な宣教活動を行っています。

沿革

設立の源流

団体の歴史は、太平洋戦争の終結直後の日本における特別な状況に遡ります。1945年の終戦後、日本に進駐してきたアメリカ軍の中には、深い信仰を持つ従軍牧師やクリスチャン兵士が多くいました。彼らは戦後の困難な時代にある日本の人々に対し、キリスト教の救いをもたらしたいという熱意に燃えていました。

この思いから、彼らは福音伝道の機会を模索します。そして、終戦から間もない1945年9月15日、神奈川県の横浜海岸教会において、「GI・ゴスペル・アワー」と名付けられた伝道集会が開催されました。この集会は単発のものではなく、その後も毎週、横浜の地で継続的に行われ、戦後の復興期にあった日本の人々に福音を伝える重要な役割を果たしました。

組織化と宣教師の派遣

このような活動が続けられる中、アメリカ合衆国において、日本の伝道支援を目的とした組織設立の動きが起こります。1947年1月、コロラド州デンバー市に「極東福音十字軍（Far East Gospel Crusade）」が正式に設立されました。この新組織は、日本の福音化を重点的な宣教目標として掲げました。

極東福音十字軍は、設立後すぐに最初の宣教師を日本へ派遣することを決定します。そして、穐近祐（あきちか たすく）氏とその夫人が、この組織から最初に日本に遣わされた宣教師となりました。彼らの来日は、戦後の日本における組織的な海外宣教団体の活動の始まりの一つとして位置づけられます。

名称の変遷

極東福音十字軍として活動を開始した後、団体はその名称を変更することになります。組織名の変更は段階的に行われたようで、1948年から1982年の期間にかけて、「センド国際宣教団」という現在の名称に改称されました。この名称変更の具体的な経緯や理由は詳細には記述されていませんが、組織の発展や活動内容の変化に伴うものと推測されます。

現在の体制と主な関係者

センド国際宣教団は、名称変更を経て、現在も日本を含む世界各地で宣教活動を続けています。現在の組織の運営を担う理事長は、トリーベル・バンハード氏です。

また、団体の歴史において重要な役割を果たした宣教師の中には、樋口信平氏の名前が挙げられています。彼らは、団体の活動を通じて、日本のキリスト教界に貢献してきました。

参考文献

団体の歴史や日本の福音派の全体像を知る上での参考文献としては、中村敏氏による『日本における福音派の歴史』（いのちのことば社、2000年）があります。この著作の中で、センド国際宣教団の前身である極東福音十字軍の活動についても触れられています。

センド国際宣教団は、終戦直後の日本の特別な状況下で生まれ、組織化され、宣教活動を展開してきた団体です。その歴史は、戦後の日本におけるキリスト教宣教の一側面を知る上で貴重な事例と言えます。

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