センニュウ科

センニュウ科について

センニュウ科（Locustellidae）は、スズメ目に属する鳥類の科の一つです。この科には、伝統的に知られているオオセッカ科（Megaluridae）の名前も用いられ、様々な種が含まれています。特に、和名には「センニュウ」や「オオギセッカ」、「オオセッカ」、さらには「ツグミモドキ」という名がある種がこれに当たります。この科の中には、セッカ科のように別の科に属する種も存在しますが、センニュウ科としての特徴があります。

特徴

センニュウ科の鳥は、主にアジア、アフリカ、オーストララシア地域に生息しており、一般的には灌木林や沼地、高山の森林限界以上に生息しています。多くの種は小型で、全長13～16センチメートル程度ですが、オニセッカ（Megalurus palustris）のように22～28センチメートルに達する種もいます。体色は、一般的にカウンターシェードのパターンを持ち、背側は褐色、腹側は白っぽいです。また、オニセッカ属やセンニュウ属の一部は背に縞模様を持つことが特徴的です。

大多数の種は、独特のさえずりを持っており、特定の種同士でも異なる音色が認められます。これにより、同じ生息地に共存している種間でのコミュニケーションが可能になっています。

系統と分類

センニュウ科の系統関係は、Johansson et al.（2008）の研究に基づいています。この科は、ミズベマネシツグミ科やテトラカヒヨドリ科と共に単系統を形成しており、その系統関係は現在不確実ですが、推測される関係は、オオセッカ科とミズベマネシツグミ科、テトラカヒヨドリ科の組み合わせと考えられています。

分類史

センニュウ科は、これまでウグイス科（Sylviidae）、特にその中のオオセッカ亜科に分類されることが一般的でしたが、近年の分子系統解析によりその位置づけが見直されています。特に、SibleyとAhlquist（1985年、1990年）の研究では、オオセッカやフトオセッカ属、オニセッカ属などが含まれる新たな分類が示され、それが現在の理解に繋がっています。

さらに、Alström et al.（2006年）の分類に従って、センニュウ属やオウギセッカ属がオオセッカ科に再分類され、一部の属は別の科に移されるなど、分類は変遷を経ています。これにより、センニュウ科の文献における地位が明確になり、現在の分類体系が形成されています。

属と種

センニュウ科には、国際鳥類学会議（IOC）によると、全体で9属57種が確認されています。この中には、Locustella（センニュウ属）をはじめ、Bradypterus（オウギセッカ属）、Megalurus（オニセッカ属）、Schoenicola（フトオセッカ属）などがあり、それぞれに多様な種が含まれています。これにより、センニュウ科は多様性に富み、非常に興味深い研究対象となっています。

センニュウ科は、アジアやアフリカを中心に多様な生息環境で適応した鳥類のグループとして、今後の研究や観察対象としての重要性を持っています。

もう一度検索