セヴェルスターリ

セヴェルスターリの概要

セヴェルスターリ（Severstal）は、ロシアを代表する鉄鋼メーカーであり、その本社はヴォログダ州のチェレポヴェツに位置しています。社名はロシア語で「北の鋼鉄」を意味し、その名の通り、ロシア北西部の資源開発と深く関わってきました。鉄鋼生産を中心に、資源開発や国際事業も展開する巨大企業です。

沿革

セヴェルスターリの歴史は、ソ連時代の1930年代にまで遡ります。コラ半島での鉄鉱石、ペチョラでの石炭の発見は、この地域における製鉄所建設の可能性を拓きました。1940年には、チェレポヴェツでの冶金工場建設が決定されましたが、第二次世界大戦の影響で計画は一時中断。1951年、ようやく建設工事が開始され、1955年には製鉄所が部分的に完成しました。

その後、コークス炉、高炉、厚板工場などが次々と完成し、1959年にはヨーロッパ最大級の熱延・冷延工場も稼働を開始。チェレポヴェツ製鉄所は総合製鉄所としての地位を確立しました。

1983年、冶金工場から製鉄工場への転換が決定され、1993年には国営企業から株式会社セヴェルスターリへと民営化されました。2006年には、西欧の鉄鋼大手アルセロールとの合併交渉も行われましたが、実現には至らず、アルセロールはその後ミッタル・スチールと合併し、アルセロール・ミッタルとなりました。

事業内容

セヴェルスターリの事業は、大きくロシア製鉄部門、資源部門、国際部門に分かれています。

ロシア製鉄部門：製鉄だけでなく、鋼管製造も担っており、ロシア国内の鉄鋼需要を支えています。

資源部門：石炭や鉄鉱石などの資源開発を行い、自社の製鉄事業に必要な資源を確保しています。資源の安定供給は、セヴェルスターリの競争力維持に不可欠です。

国際部門：2008年からアメリカの製鉄所を買収し運営していましたが、2014年にはディアボーン製鉄所を売却。国際的な事業展開も行っています。

株式上場と経営

セヴェルスターリの株式は、モスクワのロシア取引システムに上場されており、ロンドン証券取引所ではGDR（Global Depository Receipt）として取引されています。

ロシアの新興財閥であるアレクセイ・モルダショフ氏が会長を務め、株式の大半を保有しています。モルダショフ氏は、2007年度には世界長者番付で42位にランクインするなど、世界的な富豪としても知られています。

2008年の時点では、世界全体で92,000人の従業員を抱え、総売り上げは224億米ドルに達していました。これは、セヴェルスターリが世界的な鉄鋼メーカーとして、確固たる地位を築いていることを示しています。

まとめ

セヴェルスターリは、ロシアの産業発展とともに成長してきた鉄鋼企業です。ソ連時代からの歴史を持ち、国内外で事業を展開しています。その巨大な規模と影響力は、ロシア経済においても重要な役割を果たしています。今後も、技術革新や市場の変化に対応しながら、持続的な成長を目指していくことでしょう。

関連項目

ロシアの企業一覧#金属・鉱業
製鉄所
チェレポヴェツ
ロシアのオリガルヒ

外部リンク

公式ホームページ （ロシア語）
公式ホームページ （英語）
ロシアの鉄鋼所分布図
ロシアの鉄鋼会社を紹介、2. セヴェルスターリ (p.6)

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