セーヌ＝エ＝マルヌ県

セーヌ＝エ＝マルヌ県の概要

セーヌ＝エ＝マルヌ県（セーヌ＝エ＝マルヌけん）は、フランスのイル・ド・フランス地域圏に属する県で、その名は周辺を流れるセーヌ川とマルヌ川に由来しています。県は1790年にフランス革命の影響を受けて設立され、当時のイル＝ド＝フランス州の一部やシャンパーニュ地方を合わせた地域となりました。

地理的特徴

セーヌ＝エ＝マルヌ県は、かつてのイル＝ド＝フランスの東部に広がっています。北西部から南東部にかけて、周辺の10の県と接しており、具体的にはヴァル＝ドワーズ県、セーヌ＝サン＝ドニ県、ヴァル＝ド＝マルヌ県、エソンヌ県、ロワレ県、ヨンヌ県、オーブ県、マルヌ県、エーヌ県、オワーズ県です。県内にはブリーとガティネという自然地帯があり、その中で最も高い地点はサン・ジョルジュ山の215メートルです。

経済の特徴

この県は広大な農業用地を有し、335,000ヘクタールの面積の56%が農業に利用されています。都市化が進んでいる他の地域とは異なり、セーヌ＝エ＝マルヌは農業部門が重要な役割を果たしている点が特筆されます。約2,800の農場が存在し、平均して120ヘクタールの面積で作物を育てています。従事者は約48,000人にも上ります。主な農作物には穀物（全体の65%）、食用油の原料（12%）、テンサイ（7%）などがあります。

産業面ではガラス製造や食品加工、化学工業、印刷・出版業などが盛んで、こちらでも約50,000人が雇用されています。特にムランにあるスネクマ研究センターは県内最大の工業施設で、約4,000人がそこで働いています。また、県の地理的位置から重要な物流や輸送業も発展しており、TGV線が通り、マルヌ＝ラ＝ヴァレに接続し、シャルル・ド・ゴール空港近くを幾つかの高速道路が走っています。この分野では約23,000人が職を得ており、全県の給与所得者の7%以上を占めています。

人口動向

過去から農村地域として発展してきたセーヌ＝エ＝マルヌ県の人口は、近年急増し、過去50年間で3倍に成長しました。この増加は、パリの都市圏拡大や新しい都市としてのマルヌ＝ラ＝ヴァレ、セナールの開発によるものです。県の南と東の地域はまだ比較的農村的な景観を残していますが、西部の県境に近いシェルやマルヌ＝ラ＝ヴァレの新都市は高い都市化を見せており、今やパリの都市圏の一部となっています。

最近はおおむね人口移動の減少が見られるものの、セーヌ＝エ＝マルヌは依然としてフランスで最も活発な県の一つとされています。2011年時点の情報によると、人口3万人以上のコミューンにはシェル（52,817人）、モー（52,225人）、ムラン（39,497人）、ポントー＝コンボー（36,458人）が含まれています。

著名な出身者

セーヌ＝エ＝マルヌ県には、著名な出身者も少なくありません。写真家のアンリ・カルティエ＝ブレッソンや女優のイリナ・デミック、そしてソフィー・マルソーなどの有名人がこの地にルーツを持っています。これらの人物の活躍は、県の文化的な側面を豊かにしています。

セーヌ＝エ＝マルヌ県は、歴史的背景と多様な経済、さらに都市化と農業が共存するユニークな地域です。

もう一度検索