セーベジ

セーベジ（セーベシ、セーベシュ；ロシア語: Се́беж）は、ロシアのプスコフ州南西部に位置する町です。人口は約6,246人（2021年）で、州都プスコフから南へ189km、ダウガヴァ川流域のセーベジスコエ湖とオロノ湖の間に広がっています。

歴史

セーベジは、リトアニア大公国との国境に位置し、交易と軍事の両面で重要な地でした。1414年にプスコフ公国の年代記に初めて登場し、リトアニア大公ヴィータウタスの軍による略奪が記録されています。1535年には、イヴァン・シュイスキー公が木造の要塞を築き、イヴァンゴロド・ナ・セーベジェと名付けました。

この要塞は、ポーランド・リトアニア共和国との間で幾度となく争奪戦が繰り広げられました。1579年にはポーランド・リトアニア軍に征服され、その後も18世紀初頭までロシアとリトアニアの間で領有が変動しました。大北方戦争中の1700年から1721年にはロシア領となり、ピョートル大帝によって要塞が強化され、ロシア軍の重要拠点となりました。1772年の第一次ポーランド分割でロシア領としての地位が確定し、市としての地位も得ました。

第二次世界大戦中、1941年7月9日から1944年7月17日までドイツ国防軍の占領下に置かれましたが、赤軍の第2バルト戦線によって奪還されました。

見どころ

町の古い地区には、1535年に築かれた城塞（クレムリ）の城壁の遺構が残っています。クレムリ内にある聖堂は、1625年にポーランドの支配下でカトリック教会として建設されましたが、近年修復され、1990年にロシア正教会の「至聖三者大聖堂」として献堂されました。19世紀に建てられた鐘楼も必見です。また、町には歴史博物館と自然史博物館もあります。

経済と交通

セーベジには、建材工場、製材工場、食品工場などが立地しています。モスクワ・リガ間の鉄道区間が1901年に開通し、セーベジ駅はラトビアとの国境駅として機能しています。ロシア連邦道路M9がモスクワからヴェリーキエ・ルーキ、ノヴォソコリニキ、プストシカを経由してセーベジまで通っており、高速道路は国境を越えてレーゼクネを経てリガへと続いています。

セーベジは、その豊かな歴史と美しい自然景観が魅力の町です。ロシアとラトビアを結ぶ交通の要衝として、現在も重要な役割を果たしています。

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