ヴェリーキエ・ルーキ

ヴェリーキエ・ルーキ：歴史と戦略の要衝

ヴェリーキエ・ルーキは、ロシア連邦プスコフ州の南部に位置する都市であり、州内では2番目に大きい規模を誇ります。2021年の時点で人口は約8万6千人。市内を蛇行しながら流れるロヴァチ川の畔に開け、「大きな蛇行」を意味するその名は、地理的な特徴を表しています。ロシア連邦道路M9が通り、ヴェリーキエ・ルーキ空港も有するなど、交通の要衝でもあります。

歴史

1166年の年代記にその名が初めて登場するヴェリーキエ・ルーキは、1211年にノヴゴロド公国によってクレムリンが建設され、プスコフやノヴゴロドの南を守る戦略的に重要な都市としての地位を確立しました。1478年にはモスクワ大公国に併合され、その後も幾多の戦乱の舞台となります。大動乱時代には偽ドミトリー1世と偽ドミトリー2世の支配下に置かれ、1611年には完全な破壊を経験しますが、1619年に再建されました。

17世紀には、ロシアがヴェリーキエ・ルーキを拠点としてリトアニア大公国への侵入を繰り返しました。ポラツクやヴィチェプスクなどを征服しましたが、ポーランド・リトアニア共和国の反撃により、一時リトアニア領となります。しかし、1772年のポーランド分割によって再びロシア領に編入されました。

20世紀に入ると、モスクワとリガを結ぶ鉄道、サンクトペテルブルクとオデッサを結ぶ鉄道が相次いで開通し、ヴェリーキエ・ルーキは鉄道路線の集中する街として繁栄を享受しました。

第二次世界大戦

第二次世界大戦中、ヴェリーキエ・ルーキはドイツ軍とソ連軍の激戦地となりました。特に1942年末のヴェリーキエ・ルーキの戦いでは、市内に立て篭もる約7,000人のドイツ軍部隊がソ連軍に包囲され、数ヶ月にわたる激しい攻囲戦と市街戦が繰り広げられました。ドイツ軍は包囲された部隊を救援する作戦に失敗し、1943年1月に降伏。この戦いによって街並みは完全に破壊されました。

文化とゆかりの人物

ヴェリーキエ・ルーキは、ソ連邦元帥コンスタンチン・ロコソフスキーの出生地として知られています。また、ソ連邦英雄アレクサンドル・マトローソフがこの地に埋葬されています。近郊には、音楽家モデスト・ムソルグスキーの記念館があり、彼の生誕を偲ぶことができます。

ヴェリーキエ・ルーキは、その長い歴史の中で、戦略的な要衝として、また激戦地として重要な役割を果たしてきました。破壊と再建を繰り返しながらも、この地は人々の記憶と歴史を刻み続けています。

外部リンク
市の公式サイト
Справочник Великих Лук
* Комитет культуры г. Великие Луки

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